<パリ五輪 事前情報◇29日◇ル・ゴルフナショナル(フランス)◇7174ヤード・パー71>
世界ランキング1位で今季6勝と金メダル候補の最右翼、米国代表のスコッティ・シェフラーがコース入り、現地月曜日に公式会見に臨んだ。
圧倒的な強さをみせているシェフラーだが、実はツアー初優勝はわずか2年半前。東京五輪が開催された2021年には未勝利の選手だったから、この3年で驚異の躍進ぶりだ。初のオリンピアンとなり、「国を代表して戦えることにとても興奮している。すごく特別な1週間になる」と語った。
前週はパリ郊外にメリディス夫人と春に生まれたばかりの長男と滞在。バケーションを過ごしながらも近くのゴルフコースで調整もした。土曜日にはパリ観光を楽しんだという。ルーブル美術館も訪ねると『モナ・リザ』を鑑賞。「あまりの人の多さに驚いたし、美術館が大きくてびっくりした。僕たちが見たのはせいぜい美術館の10分の1くらいだ。それでもすごく良い経験だった。息子のベネットもルーブルが気に入ったようだ(笑)」と喜んだ。
前日の日曜は卓球を観戦。「あしたは体操を見に行く予定だ」とパリと五輪を満喫している。「だけど水曜日が来たらトーナメントモードに切り替える。それまでは五輪の一部になれることを大いに楽しみしたい」と満面の笑みをみせた。
今季メジャー最終戦、「全英オープン」は7位タイで終えた。最終日はあと一歩で優勝争いというところで後退。「必死でザンダーを追いかけたが、届かなかった。ザンダーを倒すのは容易ではない。でも自分のゴルフも調子を上げている」と自信を口にした。
シェフラーの自宅には「ゴルフルーム」と呼ばれるトロフィーを飾る部屋があるという。今季は4月に2度目のマスターズ・トーナメントを制し、すでに6勝を挙げている。「今年は棚を少し増やさなければいけなかったよ」と笑うシェフラー。今週、メダルを獲得したら「ゴルフルーム」のコレクションがまた1つ増やされる。(文・武川玲子=米国在住)