<全米オープン 最終日◇16日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>
10年ぶりのメジャー制覇がかかっていたローリー・マキロイ(北アイルランド)は、ブライソン・デシャンボー(米国)とトータル6アンダーで並んで最終18番を迎えた。ティショットが左のネイティブエリアにつかまると、2打目は花道に出しただけだったが、33ヤードの3打目をピン上80センチにつけた。ところが、この下りのパーパットは無情にもカップの右を通り過ぎる。ボギーを喫して、デシャンボーに敗れた。
3打差の2位からティオフ。前半で粘ると、デシャンボーとの差は1打までに迫った。12番でマキロイがバーディ、デシャンボーがボギーとしたことで逆転。ワンオン可能な13番パー4では寄せワンのバーディを奪い、そのまま最後まで突っ走りそうな勢い。『ローリー』の声援が止むことはなく、サンデーバックナインの主役になるはずだった。
15番パー3でグリーン奥にこぼすと、寄せきれずにボギー。16番では8メートルのバーディパットから80センチに寄せたが、カップ左フチに蹴られて3パットのボギー。そして最終18番。上がり4ホールで3ボギーを喫し、大きなため息とともにデシャンボーに1打ビハインドで72ホールを終えることになった。
デシャンボーも18番でピンチを迎えたが、バンカーからスーパーセーブを見せてパー。この様子をアテストエリアのモニターで見守ると、苦悶の表情を浮かべた。その後は取材に応じることなく、そのままパインハーストを後にした。
全米では6年連続で、トップ10入りで最終日を迎えていた。ツアー通算26勝を誇る世界トップランカーだが、最後に海外メジャーを制したのは2014年の「全米プロゴルフ選手権」で10年前までさかのぼる。11年大会以来の全米制覇、そしてメジャータイトルは次の「全英オープン」以降にお預けとなった。(文・笠井あかり)