<ソニー・オープン・イン・ハワイ 初日◇11日◇ワイアラエCC(米ハワイ州)◇7044ヤード・パー70>
米国男子ツアー「ソニー・オープン・イン・ハワイ」の初日は日没サスぺンデッドとなった。午前組スタートの蝉川泰果は18ホールを回り切り、5バーディ・3ボギーの「68」をマーク。桂川有人と並び、日本勢トップの2アンダー・暫定29位で2日目に臨む。
出だしの1番ではボギーを喫したが、2番パー4、6番パー4、9番パー5でバーディを奪取。「午前中はすごくパッティングが良かった。グリーン上で耐えて、2アンダーというスコアで行けたんですけど…」と前半はパットでスコアを伸ばせたが、「途中で3回ぐらい、右プッシュ(パターで)して、外してしまったホールがあった。後半はグリーン上で苦戦したなという印象ですね」とストロークミスもあり、後半ではパットに苦しむ場面も目立った。
「芽が本当に難しいなと思います。バミューダというよりも、ここは本当に芽がきついので。風がアゲインストのときだと全然届かないし、風向きも気にしながらグリーンを狙わないといけない」と強風と難グリーンに苦戦した。だが、この日喫したボギー3つの直後のホールはいずれもバーディを奪取。バウンスバック率100%だった。
常に「バーディを獲ることをすごく意識しながらプレーしている」という蝉川。ボギーをたたいても、スコアを伸ばすことを考えているおかげで、気持ちの切り替えができている。ピンチもあったが、ショットの調子が悪くなかったことから「チャンスもそれなりにあった」と振り返る。「もうちょっと貯金したかったなとは思いますね」と心残りはあるが、それでも最終18番パー5はしっかりバーディを奪い、スコアを1つ伸ばしてフィニッシュした。
きょう11日(現地時間)は23歳の誕生日。バースデーラウンドはアルゼンチンのアレハンドロ・トスティらと回ったが、「良かったです。うまかったです、(アレハンドロ・)トスティ選手。めっちゃうまかったです。ミスしてもやっぱりちゃんと取り返してきますね、無駄がないです」と得るものがあった。“獲り返すゴルフ”は、いまの蝉川の課題でもある。「あすも回りながら勉強できたらいいなと思います」と学ぶ姿勢を忘れない。
蝉川は今大会を含めて米ツアー3連戦に挑む。1戦目の今大会で自信につなげるためにも、上位で決勝ラウンドへ進みたいところ。「頑張ります!」と意気込んで取材を終えると、日本のギャラリーたちがサイン待ちをしていた。ひとりひとりに丁寧に笑顔で「ありがとうございます」と応えた蝉川。たくさんの「頑張って」というエールを胸に、テーマである「どんなことがあっても笑顔」を忘れず、上位浮上を狙う。(文・高木彩音)