8日、ザック・ジョンソン主将が率いる米国チームがローマに向けて旅立った。目的は9月29日にイタリアで開幕する「ライダーカップ」の開催コース、マルコ・シモーネG&CCで練習ラウンドを行うこと。そのために12選手全員が集まった。公式のX(旧ツイッター)は、飛行機に乗り込むジョンソン主将、リッキー・ファウラー、コリン・モリカワ、ブルックス・ケプカらの姿をアップした。
米国チームが敵地で開催されたライダーカップを制したのは1993年、イングランドのザ・ベルフライ大会が最後。以降30年間アウェーでの勝利はない。その理由の一つとして、開催コースへの知識不足が挙げられている。
2018年はパリ郊外のル・ゴルフナショナルで行われたが、同コースではDPワールド(欧州)ツアーのフランスオープンが長らく開催されているとあって、同ツアーを戦う選手が多い欧州チームの有利が伝えられていた。同年はジム・フューリク主将が米国チームのメンバーに同コースを訪れることを推奨したが、フランスオープンに参戦したのはジャスティン・トーマスだけだった。
そのトーマスは同年のライダーカップのシングルスでローリー・マキロイ(北アイルランド)を下すなど4勝1敗の大活躍をした。しかし、結果は欧州17.5、米国10.5で完敗。米国の副主将を務めたデービス・ラブIIIは「我々は練習ラウンドを十分にできていなかった」と話した。
それは欧州チームも同様だ。前回大会の21年は「全米プロ」を開催したこともある米ウィスコンシン州で行われたが、米国チームはメンバーがそろって事前の練習ラウンドを敢行して圧勝。負けた欧州チーム主将のパドレイグ・ハリントン(アイルランド)は「米国チームの知識が圧倒的に有利だった」と話している。
今年の開催コース、マルコ・シモーネG&CCは過去3年間、DPワールド(欧州)ツアーのイタリアオープンが行われている。5年前と同じ失敗を繰り返さないためにも、米国チームは早めの現地入りで決戦に備える。
米国チームの後、11日には欧州チームの練習ラウンドが予定されており、現在アイルランドオープンを戦っているマキロイらがローマに集結する。(文・武川玲子=米国在住)