<全米プロゴルフ選手権 最終日◇21日◇オークヒルCC(米ニューヨーク州)◇7394ヤード・パー70>
トータル3オーバー・20位タイから9打差を追いかけた松山英樹の最終日は、3パットのボギーから始まった。「すべて台無しにしましたね。返しのパットも入れられなかったので、ちょっとメンタル的にもきつくなった」。そして2番、3番はティショットを左のラフに入れて2.5メートル、3.5メートルのパーパットを決められず。3連続ボギーという滑り出しで、V戦線からは一気に遠のいてしまった。
その後の前半は、ティショットをフェアウェイに運び、パーオンでグリーンに乗せて、2パットのパーを積み重ねる展開。ティショットが大きく左に曲がり、2打目が右手前のガードバンカーにつかまった8番パー4では、1.2メートルにつけパーでしのいだ。
3つ落として迎えた後半も、11番パー3でボギーが来る展開。バーディを奪えないまま、一時はトータル7オーバーまで後退した。だが、13番パー5で残り64ヤードの3打目を60センチにつけてバーディを奪うと、「チャンスホール」と話していた14番パー4でも伸ばして連続バーディとした。
それでも、流れはよくならなかった。15番、16番ではそれぞれ7メートルとチャンスにはつけきれず。17番は4メートル、最終18番は残り174ヤードから手前2メートルにつけて観客の大歓声を浴びたが、続くバーディパットはカップに沈まなかった。
「パッティングが、ちょっとパターを持つだけで緊張してしまっている」。フェアウェイキープ率は14ホール中11回、パーオンは18ホール中14回とともに4日間で最も高い数字を記録したが、パット数は「34」、ストロークス・ゲインド・パッティングは『-3.827』。「パッティングがずっとの課題ですけど、毎週10打くらい損しているので」と苦笑いも浮かべる。
先月の「マスターズ」を終えてから、首の痛みの回復にむけて休養していた松山。1カ月ほどクラブを握らないまま先週に復帰戦を迎え、そこからタフなメジャー大会と連戦をこなした。体の状態も心配されていたなかで、「してなかったわりにゴルフもできましたし、痛みは多少はありながらも2週間棄権することなくできた。徐々によくはなっていると思いたい」と明るい言葉も出てくる。
そして持ち前のショット力については、手応えも感じている。「体が問題なく回れてたので良かった。ショットの気づきがあって、最後の2ホールはすごくいいセカンドが打てたし、そういうところで徐々によくなっているというのは実感できる」と振り返る。
来月は「メモリアル・トーナメント」、メジャー第3戦「全米オープン」が控える。「まずは体力を戻して、練習もたぶんできるようになると思うので、パッティングを中心に練習したいなと思います」。練習再開も示唆しながら、11年連続出場&決勝ラウンド進出の全米プロを後にした。(文・笠井あかり)