<全英オープン 初日◇18日◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385ヤード・パー71>
空は曇り、海側から強風が吹く中で世界最古のメジャーが開幕した。今年で2度目の出場となった木下稜介は幸先良く“おはようバーディ”を奪ったが、後半で崩れた。2バーディ・4ボギー・1ダブルボギーの「75」。4オーバー・82位タイで初日を終えた。
前半はティショットをフェアウェイに置き、グリーンを捉えることもできていた。だが、後半は風と気温の影響でガマン続きのゴルフとなった。「スタートだけは良かったんですけど、そこからはなかなか我慢のゴルフだった。外してはいけないほうに外すことが多かった」とロイヤルトゥルーンの名物でもあるポットバンカーや深いラフに外すシーンが目立った。
ショットの調子は悪くない。「この風のなか、うまく対応できたと思う」と難コンディションのなかとしては、手ごたえは悪くない。課題となったのはパッティングだった。「ファーストパットのタッチも合っていなかったですし、微妙なパーパットも決めきることができなかった」とロングパットやワンピン以内の距離感に苦しんだ。
ただ、見せ場は作った。雨は降ったり止んだりを繰り返し、後半に進めば進むほど風は勢いを増した。5オーバーまでスコアを落とし、苦しい状況で迎えた16番パー5(572ヤード)。ティショットでは打ったあとに片手を離し緊張感が走ったが、ボールはフェアウェイ右サイドに残った。強いフォローの風が吹くなか、2打目をアイアンで刻むと、3打目でワンピンほどにつけてギャラリーから拍手が起きる。
「キャディがはっきり『フックです』って言ってくれたので、それを信じて」としっかり沈めてバーディを奪取。「あのバーディが入って良かった」と安どの表情を見せた。苦しい初日となったが、会心のバーディは予選通過に向けての好材料となる。
「かなりオーバーパーになってしまったんですけど、パッティングさえ決まってくれれば絶対アンダーを出せると思う。最後まで諦めずに頑張ります」。課題は明確だ。あすは午後スタートということもあり、ゆっくり練習することができる。決勝ラウンドに進むためにも、しっかりと調整を行いたい。(文・高木彩音)