次週の「コグニザント・クラシック」でPGAツアー・デビューを目指したタイガー・ウッズ（米国）の長男、チャーリー・ウッズ（15歳）。22日、ロストレイクGC（パー70・フロリダ州ホブサウンド）で開催された予備予選会に出場。しかし、「86」と崩れ残念ながら本戦出場をかけた予選会への出場権は得られなかった。

7番パー4で「12」に加え4ボギー、2ダブルボギーでバーディなし。16オーバーと大荒れのラウンドとなったが、それにはどうやらわけがあったようで、同日の夜になって米ゴルフウィーク誌が詳細と伝えた。
 
先週、インフルエンザに掛かって「ジェネシス招待」を棄権したタイガーはコースには来なかったが、チャーリーの母、エリンさんが観戦。それに加えて早朝からコースにはギャラリーが詰めかけていたという。
 
5番ホールでチャーリーがティショットを右に曲げてOBとしたところを、ギャラリーがボールを持ち帰ろうとブッシュを捜索。さらに予選会のためギャラリーロープが張られていないことを良いことに、フェアウェイの至近距離までチャーリーに接近する事態に発展した。トーナメントオフィシャルの「カートパスに留まるよう」という注意もまったく無視し、中にはオフィシャルに向かって「お前はなんだんだ？消防署の係員か？」と文句をつける始末で、プレーが後半にはいるとギャラリーは50人以上に膨れ上がった。
 
12番を終えたチャーリーにタイガーの本を差し出しサインを求める輩も登場。オフィシャルが「サインは許可されていない」と伝えると「ここに住んでいるものだ！」と叫んだという。マリン郡の警察官を含む2人の警護ではまったく追いつかず、チャーリーのプレーはさらにひどくなった。18番グリーンでパットを外すとキャディを務めた地元の高校ゴルフの友人に「良いラウンドだったよね」とジョークを飛ばすしかなかった。
 
チャーリーと同組でプレーしたオリン・ブラウン・ジュニア（父はPGAツアーで戦うオリン・ブラウン）はラウンド終了後に「これだけの邪魔の中で最後までプレーしたのは素晴らしい。誇りに思う」と賞賛したという。予選通過はならなかったチャーリーは、2週前にとったばかりの仮運転免許で車を運転しコースを去った。（文・武川玲子＝米国在住）