<マスターズ 事前情報◇7日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
“春の祭典”とも呼ばれる海外メジャー今季初戦が行われる会場は、月曜日の観戦が悪天候による一時中断を経てクローズされた。パトロン(ギャラリー)は肩を落としてコースを後にしたが、決して悪いことばかりではなさそうだ。
練習日から観客もコースを闊歩できるが、日曜日夜は、パトロンが会場に入れないほどの雨量も見込まれた。しかし天候は予報よりも悪くなかったことから、午前8時にゲートがオープン。コースを訪れた選手は多くなかったものの、朝から押し寄せたパトロンはその練習の様子を楽しんだ。さらにお土産ショップに並んで限定グッズを購入したり、ボードの前で記念撮影をしたりと、雰囲気を噛みしめる姿はいたるところに…といった状況だ。
ただ午前11時35分に雷雲接近に伴う悪天候によりコースから引き上げることになり、そのままクローズが決定。滞在できたのは3時間半ほどと短い時間だったが、それと同時に“朗報”も届いた。
「月曜日の練習日チケットの購入者には5月中に払い戻しを行う。そして2026年の月曜日の練習日チケットを購入する機会を保障する」
マスターズのチケットは、例年6月に公式サイトでの申し込み&抽選が行われ、練習日は1枚100ドル、本戦は1枚140ドルで販売。だが、当選確率わずか0.5%とも言われているほどのプラチナチケット。流通市場ではかなりの高値に跳ね上がり、手にすることが極めて難しい。
チケットについてかねて公式サイトなどでは、クローズによる払い戻しは行われないとされていたが、今回いきなりの方針転換。フレッド・リドリー会長は「パトロンが十分に楽しめなかったことが残念だが、安全が最優先事項で、それが中止を決定した要因だった。来年、再びお迎えできることを楽しみにしている」とコメントを発表した。
オーガスタナショナルのクローズは残念な出来事だったが、来年のチケット購入が保障されたことはかなり大きい。1枚で2度おいしい、というまさにビッグニュースになった。(文・笠井あかり)