現地時間4日朝、タイガー・ウッズ(米国)の母、クルチダさんが死去した。ウッズが自身のXなどのソーシャルメディアで公表。PGAツアーによると享年80歳と報じられたが、死因は明らかにされていない。
ウッズは「心からの悲しみとともに親愛なる母、クルチダ・ウッズが今朝早くに亡くなったことを報告します。母はまさに自然の力そのものであり、その精神力は誰にも負けないものでした。とても良く笑う人で、私の最大のファンであり、サポーターでもありました。母がいなければ、私の成功は何ひとつ成し得なかったでしょう。多くの人に愛されて、とくに2人の孫、サムとチャーリーからはとても慕われていました」とコメントした。
タイ出身のクルチダさんは、米国陸軍の軍人だったタイガーの父、アールさんと1969年に結婚。1975年に南カリフォルニアに移住し、同年にウッズが誕生した。2006年にアールさんが死去。ウッズがフロリダ州のジュピターアイランドに住居を移してから、クルチダさんもその近くで暮らした。
父のアールさんによってゴルフの指導を受けていたウッズだが、「僕の精神力は母から受け継いでいる」と度々話し、「母は十分な評価を受けてない」とクルチダさんへの敬意を示していた。最終日に赤いウェアを着る習慣も、母の教えによるものだった。昨年、テレビ番組に出演した際、「僕は山羊座で、赤がパワーカラーだと母は考えた。赤を着ていくつかの試合に勝って、それで最終日は赤を着るようになった。一度青を着たらその試合に勝てなかった。母はいつも正しいんだ」と語っていた。
この訃報を受け、ドナルド・トランプ米大統領もソーシャルメディアで反応した。「素晴らしい家族だった」とコメントするとともに、一期目の2019年にタイガーが大統領自由勲章を授与した際の写真を投稿。クルチダさんもホワイトハウスでの授賞式に出席していた。
ウッズは「私と家族にとってこの困難な時期に、皆さんのサポート、祈り、プライバシーに感謝します。ママ、愛しているよ」とメッセージを締めくくった。
次週はウッズがホストを務めるPGAツアー「ジェネシス招待」が、ロサンゼルスの山火事の影響でサンディエゴのトリーパインズGCに会場を変更して開催される。ウッズが参戦するかどうかは、まだ発表されていない。(文・武川玲子=米国在住)