PGAツアーのプレーオフ初戦「フェデックス・セントジュード選手権」最終日。松山英樹の勝利への道は、大方の予想に反して厳しい戦いになった。
2位に5打差の単独首位で最終日を迎えた松山が、後半に次々にスコアを落とし、首位から陥落したことは予想外の展開だった。しかし、そこから巻き返し、再逆転して勝利をさらった彼の勝ち方は圧巻だった。
「予想外」の始まりは、短いパーパットを外した12番のボギーからだった。さらに14番で池に落としてボギーを喫すると、15番はラフに苦しんだ末に4オン2パットでダブルボギー。4ホールで4つスコアを落とした。
14番(パー3)は同組だったニック・ダンラップ(米国)の動きに気を取られ、「(自分の)状態が良くないのに、つられて、ミスした」。15番は「その影響。ラフに入れちゃって」と苦笑しながら振り返った。
流れが悪くなり始めたとき、集中力が低下して、「ついつい」というミスをおかしてしまうことは、どんなトッププレーヤーにも、ときとして起こることではある。
だが、そんな流れに陥り、一時はビクトル・ホブラン(ノルウェー)に逆転されて2位タイに後退した松山が、そこから先はミスをおかさず、上がり2ホールを連続バーディで締めくくって再逆転できた要因は何だったのか。