<全英オープン 2日目◇19日◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385ヤード・パー71>
久常涼は米国男子ツアーメンバーとして、初めて全英の舞台を踏んだ。しかし初日の「76」に続き、この日も「75」とスコアを崩し、トータル9オーバー・100位タイで予選落ち。4日間プレーすることは叶わなかった。
「うーん、そうですね…。この半年間ずっとアメリカでプレーしてきて、このヨーロッパに戻り、全然ゴルフが違う。それになかなか対応できず1週間が終わったっていう感じですね」
悔しさを押し殺しながら、目線を落とし、初の全英を振り返った。「“たられば”ではないですけど、流れがつかめそうなところで決めきれなかったりもした。それが今週も2日で終わっちゃった原因かな」。メジャーでの一打の重みを痛感する時間でもあった。
納得のいくパフォーマンスを発揮できなかった自分には悔いも残る。リンクスコースのロイヤルトゥルーンは、全英らしく海の影響で風も強い。少しでもボールを曲げてしまうと風に乗り、ポットバンカーやコース両サイドにあるブッシュに入ってしまう。
今回スコアを作れなかった原因については、「経験値」と話す。「やっぱり大会じゃないと超えられないところが大きいと思う。もっともっとこういうゴルフに慣れていけばいいのかなって勝手に思っています」。洗礼を浴びたことで、今後はリンクスをプレーする機会を増やし、自身のレベルアップにつなげていくつもりだ。
「大事な2週間だったので、そこでポイントを取れなかったってのはすごく悔しい」。米国ツアーでのシード獲得に向けても、悔しい結果だった。現在、米国男子ツアーのポイントランクで100位につけているが、ランク上位70位までが出場できるプレーオフまでは、この全英が終わると「3Mオープン」、「ウィンダム選手権」の残り2試合のみ。獲得ポイントの大きいメジャーで、なんとしても前進しておきたかった。
71位以下になると、来季出場権が得られるランク125位以内を目指し、レギュラーシーズン終了後に行われる9月~11月の『フェデックスカップ・フォール』を戦うことになる。「シードを取るためにも残り2試合ないしはフォールシリーズに向けて残された試合でしっかり結果が出せるよう頑張りたい」。気持ちを切り替え、残りのシーズンを見据えていく。(文・高木彩音)