<WMフェニックス・オープン 事前情報◇6日◇TPCスコッツデール スタジアムC(米アリゾナ州)◇7261ヤード・パー71>
松山英樹が思い出の地に戻ってくる。「フェニックス・オープン」は2016、17年と連覇し、トップ10は5回と抜群の相性を誇る大会。今季は4試合に出場して、まだトップ10なしと本調子とはいえない状況だが、得意の舞台で“不死鳥”のようによみがえるのか。優勝した過去2大会を振り返ってみよう。まずは、大会初優勝を果たした16年から。
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前年の15年大会は、ブルックス・ケプカ(米国)に1打差の2位タイで敗れた松山。並々ならぬ決意でフェニックスの地に乗り込んだ。
この年は、初日から優勝に向けて勢いをつけた。「65」をマークして、リッキー・ファウラー(米国)らと並ぶ首位タイ発進。そのまま上位から陥落することなく、ファウラーと肩を並べて2位タイで最終日を迎えた。
ファウラーが2打リードして迎えた17番パー4でチャンスが訪れる。1オンを狙ったファウラーのティショットは左の池に打ち込み、ボギー。一方、「まだワンチャンスあるなと思った」と、グリーン手前につけた松山はそこからバーディを奪い、トータル13アンダーで並んだ。
最終18番では、ピン奥5メートルの“クラッチパット”を先に沈めバーディ。ファウラーも3メートルを沈めて応戦し、二人の勝負はプレーオフに突入した。
18番で行われた2ホールでは勝敗が決まらず、10番に舞台を変えた3ホール目でも、両者ともにパー。4ホール目が行われた17番で、松山に勝利の女神が微笑んだ。ここで正規ラウンドと同じくファウラーがティショットを再び左の池へ。パーセーブに失敗し、勝負は決着した。
このとき1.5mのバーディパットを外した松山は、「負けた人みたいなパターになってしまった」と苦笑い。しかし、14年の「メモリアル・トーナメント」に次ぐ2年ぶりの米ツアー優勝に「どんどん勝っていけるように頑張りたい」と力強い笑みに変えた。