昨年の国内ツアーで賞金ランキング2位に入った蝉川泰果が、米国男子ツアーの「ソニー・オープン・イン・ハワイ」からスタートさせた3連戦を終えて日本に帰国した。空港の到着出口から笑顔で出てきた蝉川は、約1カ月間の海外生活を終えて「ラーメンを早く食べたいなって気持ちです（笑）」とひとこと。元気な姿を見せた。

自身初戦となったソニー・オープンでは、8人の日本人選手が出場。蝉川は首位に2打差の14位タイで2日目を終え日本勢最上位で決勝ラウンドに進出。3日目もスコアを伸ばし、最終日はトップと3打差の4位タイで優勝争いに絡むなど、世界が注目する舞台で勢いを見せた。翌週の「ザ・アメリカンエクスプレス」では予選カット、「ファーマーズ・インシュランス・オープン」ではトータルイーブンパーの64位タイで終えた。

「もう少しできたなと思う3週間だったかなとは思うので、少し悔いが残るところもあります。ですが、確実に去年よりも成長している部分もすごく感じたので、次の試合が楽しみだなと感じています」と振り返る。

米ツアー3試合を終えた時点のスタッツ（1月29日時点）では、イーグル数（3つ）、トータルドライビングで7位を記録。昨季、日本ツアーの「イーグル率」で1位の蝉川は「そういった部分では、海外でも通用することができたのかなとは思うのですが…」とうれしい半面、表情を曇らせる。それは「少し悔いが残るところ」という面もあるためだ。

「イーグルやバーディは獲れていましたが、もっとパーセーブ率を上げてパッティングも、ショートゲームもトータル的にもう少しレベルアップできれば、自分の思うような調子が出なくても、もっと上位で戦えるかなという手ごたえはありました」と自身の課題を発見することができたと同時に、納得のいくスコアが出せなかったことには悔いを残す。

海外のコースの難しさも痛感した。「すごく微妙なグリーンのポアナ芝だったり、バミューダ芝だったり、いろいろな芝があるんですけど、例えばパッティングで自分がスライスラインで引っかけてしまったら、逆にフック回転でフックしてしまったりして。しっかり、真っすぐヒットさせることの大切さをすごく感じました」と海外特有の芝目に苦戦していた。

米ツアーに参戦し、自身のマネジメント力にも課題を感じていた。「もっとイメージを持って、ショットもすべて打たないといけない。いままで一辺倒で通用していたのが、いろいろコースに行って、一辺倒すぎるゴルフはよくないなと感じました」と、日本で結果を出せていた攻め方では、世界の舞台で勝てないことを実感する。

「コースによって対応していくためにも、もう少しイメージ力を持ってやるとこと、一辺倒でもいいゴルフ場ももちろんあるので、その辺を自分で工夫しながらできるようになりたいと思いました」と、この3試合で得たことは山ほどあったようだ。

最後は、「日本でしっかり調整して、次の試合は絶対もっと上に行けるように頑張りたいです」とリベンジへ意気込む。次戦は約1カ月後の米ツアーに出場する予定。この3試合の無念を晴らしたい。（文・高木彩音）