ことしもゴルフ界の“春の祭典”ともいえる「マスターズ」がオーガスタ・ナショナルGCを舞台に行われる。米国スポーツ界の一大イベントは、その雰囲気も独特。そこで現地で“見た”、“感じた”ことなどをお届けする。
◇
大会最終日。優雅な朝食で舌鼓を打つことができた。大会期間中は1番ホールの近くにあるクラブハウス2階にあるレストランに入ることができたため、そこを訪れた。
実はここ、歴代王者が開幕2日前に集まる恒例の『チャンピオンズディナー』が行われる場所。“ライブラリー”という通称通り、分厚い本も掲示されているが、何よりも興味をひかれるのが、ガラスケースに飾られているコレクションの数々。写真撮影が禁止されているため詳細をお届けできないのが残念だが、どれも歴史と伝統を感じさせるものばかりだ。
例えば、マスターズの創始者ボビー・ジョーンズにまつわるものや、オーガスタ・ナショナルのメンバーだったことで知られる第34代米国大統領のドワイト・アイゼンハワー氏(故人)が使用していたクラブやスコアカードなどが飾られている。数日前にはここに歴代王者が集まっていたことも加味すると…居ることが恐れ多い気すらしてしまう場所だ。
朝食メニューは『パンケーキ』、『フレンチトースト』(12ドル=約1836円)、『オムレツ』(17ドル=約2601円)、『フルーツの盛り合わせ』(8ドル=約1224円)などがラインナップされている。異常な円安の影響で記者にはもちろんお高く感じてしまう食事だが、米国では普通の料金設定ともいえる。
その時間には、たまたまグリーンジャケットを着たアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)の姿を見かけることもできた。そんな特別な場所で朝食をとると、僭越ながら、セレブたちの仲間入りができた…ような錯覚に陥った。(文・間宮輝憲)