<全米オープン 事前情報◇14日◇ザ・ロサンゼルスCC ノースC(米カリフォルニア州)◇7421ヤード・パー70>
開幕前日の水曜日は、石川遼、松山英樹、桂川有人の3人で午前8時35分に10番から9ホールを練習ラウンド。その後、松山と桂川は抜け、1番からの9ホールは石川ひとりでウェッジ1本とパターだけを持ってコースチェックを行った。
石川にとって2年ぶり7度目の「全米オープン」。世界で戦うことを目標に、20年から3年以上かけて、完成に近づいているスイング改造の成果を試す絶好の機会となる。「全米オープンの難しさを感じながら、モチベーションもすごく高いですし、トライしたいこととか、挑戦したいこと、チャレンジャーの気持ちでいます」。あすの開幕を前に楽しみな感情を抑えられない。
コロナ渦で9月にウィングドフットGCで行われた2020年大会では、世界のトップ選手たちが深いラフに苦しみ、優勝したブライソン・デシャンボー(米国)だけがアンダーパー(トータル6アンダー)をマーク。石川はトータル18オーバーで51位タイに終わった。今回のラフも、一緒に練習ラウンドで回った松山英樹が30ヤードほどしか飛ばせない場面もあるなど、入れれば即ボギー、ダブルボギーとなりそうな雰囲気がある。
「ウィングドフットの方が威圧感をすごく感じたというか、短いパー4もめちゃくちゃ狭くて、ラフが深くてっていう感じだった。でもウィングドフットはラフ入った時に転がしてグリーン狙うっていうのが割とできたイメージがあるんですけど、今回は花道が使えない。グリーンを狙った真っすぐの手前にバンカーがあるっていうホールが多いです」と違いを語る。
そのうえで、「ラフのボールのライを見極めて、いけると思ったらいくのか、これはバンカーを越えられないと思ったら思い切り刻むとか、ピンポジションに対して何ヤード3打目を残した方がいいのかとか、そこら辺がウィングフットよりは複雑な感じがします」と、ティショットがラフに入ったときには、より頭を使ったコースマネジメントが求められそう。
グリーン周りに行ってもニラのような太さのラフは脅威となる。「自分の家のそばの土手沿いに行って練習すれば良かったなと思うくらい」と言いつつ、「グリーン周りのニラはやっぱり飛べばいいってもんじゃない。マックス50ヤードぐらいは飛ばせるかもしれないですけど、2~5ヤードぐらいのキャリーみたいなショットを、すごい深いラフから打たされることが多い」と、セカンド地点とは違い、ヘッドスピードを出しながら飛ばさない技術が必要となる。
「これぐらい沈んでたらこれぐらい飛距離をロスするなとか、これぐらい浮いててもこれぐらい飛ばなくなるなみたいな感じは、ちょっとずつ溜まってきてはいるので、それを駆使してやっていくしかないですね」と、きょうの練習ラウンドでは深いラフからのアプローチを入念に確認した。
今回の全米オープンもやはり我慢比べの展開が予想される。「1個の自分のやりたくないミスだったりとかまあ、ダブルボキー来たりとか、トリプルボギー来たりとか、そういった何かひとつのミスでも起きた後から全米オープン始まるのかなっていう感じがします」。世界屈指の難セッティングにやりがいを感じつつ、あすのティオフを迎える。