米PGAツアーで戦うアン・ビョンハン(韓国)が同ツアーで実施されている“ドーピング検査”で違反が発覚。8月31日から「3か月の出場停止」となっていることをツアーが正式発表した。
「検査で陽性反応が確認されたのは、世界ドーピング防止機構(WADA)が禁止している成分で、アンの母国韓国で市販されている風邪薬に含まれているものだった。アンはツアーの規約に100%協力し、出場停止を受け入れた」とPGAツアーがステートメントに記した。
アンは12月1日からツアーに復帰できる。32歳のアンは韓国のソウル出身。韓国人の父と中国人の母は、ともに卓球で五輪のメダリストでもある。2005年に渡米し、09年には18歳の最年少記録で全米アマチュア選手権を制した。
アンは自身のインスタグラムにコメントを投稿。「8月に悪寒と咳に襲われた。症状が悪化したため母に勧められ、韓国で広く一般に使用されている薬をその成分を確認しないで服用してしまった。その後に禁止されていることが分かった。この薬を使用したのはこのときだけで、プレーの向上を目的としたものでは一切ない。もっと注意深くあるべきだったととても公開しているし、自分の行動にはきっちりと責任をとる。PGAツアーの支援にとても感謝している」とし、うっかりと服用した風邪薬が要因であったと公表した。
アンは2015年にはDPワールド(欧州)ツアーの「BMW・PGA選手権」で勝利を挙げているが、PGAツアーでは未勝利。22−23シーズンは8月の「ウィンダム選手権」の2位タイが最高位でトップ10入りは4度記録し、プレーオフシリーズ第2戦「BMW選手権」まで進みフェデックスカップポイントは44位でシーズンを終了。2024年シーズンはフルシード権を獲得している。(文・武川玲子=米国在住)