<PNC選手権 初日◇21日◇リッツ・カールトンGC(フロリダ州)◇7106ヤード・パー72>
5カ月ぶりの実戦復帰となったタイガー・ウッズ(米国)は、長男チャーリー(15歳)とペアを組み、5年連続で「PNC選手権」に出場。9月に腰の手術を受けたばかりのウッズだったが、好調なプレーを披露し、13バーディ、ボギーなしの「59」をマークした。チーム・ランガー、チーム・シンと並んでトップに立った。
出だしから3連続バーディと勢いに乗ると、チャーリーのパッティングが冴え、5番、7番、9番で次々にパットを沈めた。後半に入っても10番でバーディを奪うと、12番パー3ではチャーリーが5メートルのパットを決め、13番パー4ではバンカーから1メートルにつける好プレー。タイガーも負けじと15番パー4で第2打を1メートルにつけ、16番では1.5メートルのバーディパットを沈めるなど、精度の高いショットを見せた。
「僕たちは普段、お互いを倒そうと思ってプレーしているけど、今週はお互いのためにプレーしている。一番いいショットが打てるように応援しあっている」とタイガー。後半は12番からの5連続を含む7バーディを奪った。
「チャーリーが見事なパットを決めてくれた。僕はずっと応援団だった」と息子を称える一方で、チャーリーは「僕のショットが曲がったときに父が助けてくれた。そのあと僕のパットが決まって、すごくいいチームワークだった」と父への感謝を口にした。
5年連続出場のチーム・ウッズだが、これまで優勝はまだない。「チャーリーは毎年ここで成長を見せてくれる。どんどんと飛距離が伸びて、ショットの種類も増えている。チャーリーのゴルフは日々進化している」と、昨年からのさらなる成長を称えた。「チャーリーは僕を9ホールでは負かしたことがあるけど、18ホールではまだなんだ。その日は必ず来るけど、少しでも先に延ばしたい」と父親としての意地も見せた。
タイガーのキャディを務めたのは長女のサムさん。さらに、タイガーの元妻でチャーリーとサムさんの母親であるエリンさんもギャラリーとして見守った。
ウッズファミリーにとって「大切な一日」。初優勝に向けてチャーリーは「これまで勝つことにこだわり過ぎた。あすは父とのプレーを楽しみたい」と意気込む。
もしチーム・ウッズが勝利すれば、タイガーにとっては非公式ながら2019年「ZOZOチャンピオンシップ」以来の“優勝”となる。(文・武川玲子=米国在住)