<ツアー選手権 事前情報◇27日◇イースト・レイクGC(米ジョージア州)◇7490ヤード・パー71>
アトランタ郊外、球聖ボビー・ジョーンズのホームとして知られるコースが今季最終戦の舞台になる。そこに8年連続8度目の出場を果たしたザンダー・シャウフェレ(米国)は、誰よりもそこで好成績を挙げている選手だ。
初出場の2017年には大会制覇。当時はまだ年間王者とは別の戦いで頂点に登り詰めたわけではなかったが、翌18年も7位で、以降は2位、2位、5位、4位と好相性ぶりは変わらない。そして昨年も2位。一度もトップ10を外したことがないという、もはや“庭”とも言える場所だ。
だが今年、そのイースト・レイクGCは大きくリノベーションされた。「新しいグリーン、新しいバンカー、コースのスロープも違う。目標にしていた木もなくなった。同じなのはホールの方向だけかもしれない。まったく新しいコースになってしまった。これまでの記憶はまったく役に立たない」とシャウフェレも驚くほどの変化だ。
『ブルドーザーの前で身を挺して改造を止めたかった?』と問われると、「100%、そうしたかったよ。僕のキャディもそうだ。きっと彼が先に行っただろうね」とジョークも交えつつ笑った。実際の印象は「新しいコースだから芝が半分くらいだ。グリーンは硬くコースも速い。これまで新しいコースを何度もプレーしたことがあるが、大抵はよく跳ねる。だいたい2年くらいは落ち着くのにかかるだろう」という話す。
ただ泣き言は言ってられない。今年は2位で最終戦を迎える。「これまでで一番良い位置で入れたよ」。トップを行くスコッティ・シェフラー(米国)とのスタート時のハンディはわずかに2打。逆転に意欲をみせる。シーズン終盤でガマンもスタミナもだんだんと限界に近づいてきているともいう。「1時間ベッドに入る時間を繰り上げた。だから1時間早くディナーも食べている。のんびり過ごすように心がけている」。こういった対策も続けてきた。
今季は「全米プロ」、「全英オープン」とメジャー2勝を挙げた。最後の戦いで年間王者を目指す。(文・武川玲子=米国在住)