それでもハナの頭にはある思いがあった。「優勝は考えていませんでした。きょうもノーボギーで回りたかった」。ハナはプロテスト合格後、持ち味について「ノーボギーで回ること」と語っている。そんな安定感バツグンの手堅いゴルフでここまで結果を残してきた。ところが、首位に並んだ瞬間からハナの歯車が狂ってしまった。

16番パー3ではティショットをグリーン右ラフに打ち込み、寄らず入らずのボギーを喫する。対する服部は70センチのバーディチャンス。絶体絶命と思われたが、服部もこれを外し1打差で17番へ。ここではハナがアプローチを寄せてパーセーブの可能性を残したが、今度は服部が7メートルを沈めバーディ。結果ハナは、このあとのパーパットも決めきれずに3打差に逆戻り。ここで勝負あった。

「緊張はしなかったけど、ショートパットが入らなかった。16、17番はミスパットでした」。最後は、前日に練習を繰り返したパッティングに泣いた。それでも今は前を向く。次週はプロテスト合格後初のレギュラーツアーに参戦。「来週こそはノーボギーでプレーできるように頑張りたい」。兵庫の悔しさは北海道で晴らす構えだ。

負けたとはいえ、これで通算獲得賞金は約1700万円。独走状態が続く。ステップの賞金ランキング1位になれば、文句なしで来年のレギュラーツアー前半戦出場権を獲得。高いモチベーションと、高い目標を胸に、北の大地へ向かう。