小西　誰が出てくるのか分からないのがステップの面白いところでもありますよね。ルーキーがいきなり出てきましたが、そんななかでベテランも活躍するのがステップ。実は40代や50代の選手もQTランキングで出てくることになります。昨年の初戦では22年目の佐藤靖子選手が初優勝を挙げましたし、レギュラーツアーで5勝もしている服部真夕選手が優勝したのもカッコよかったですね。

下村　私もあれを見ていて泣きました。服部先輩のことは小学校のときから知っていて、ジュニアの頃から一緒に試合に出ていました。高校時代も成績を残してプロテストにもトップ合格し、すぐにシードを取りました。順調に進んでいましたが、どこかのタイミングでアプローチが（イップスに）…。

小西　そうなんですよね。いまではアプローチだけ左で打つようになりました。その左のアプローチで勝った。そのことについてもちゃんと答えてくれるし、自分の弱いところをさらけ出して優勝をつかんだのは本当に感動しました。私が優勝インタビューをしたんですが、涙がこぼれそうでした（笑）。

下村　プロっていわゆるイップスになるとなかなか立ち直れないんですが、そこからまた自分を盛り上げていったことに、心の強さを感じました。服部先輩は本当に優しくて思いやりもある選手なので、本当にうれしかったです。

――ルーキーもベテランも活躍する。やはりそこがステップの魅力でしょうか？

小西　19年のプロテストに合格した選手が、結構すぐにレギュラーツアーに行ってしまったので、20-21年シーズンはどんなステップになるのだろうと思っていましたが、蓋を開けてみればリ・ハナ（韓国）選手などは一気に出てきました。20年の初戦に勝った植竹希望（のぞみ）選手はいまやレギュラーツアーのシード選手。新しい選手が出てくるのは、もちろん魅力です。