<SkyレディースABC杯 事前情報◇25日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>
全23試合が行われる今季のステップ・アップ・ツアーは、秋の10連戦の3戦目が26日(火)から開催される。ツアー唯一の4日間は男子の大会も開催する兵庫県ABCゴルフ倶楽部が舞台。難コースを相手に栄冠を勝ち取るのは? 自身も同ツアーに出場する大和笑莉奈が注目選手から聞き出した生の情報をお届けする!
身長146センチの大挑戦 みちのくパワーで勝利をつかめ!大須賀望は3度目の正直へまい進【大和笑莉奈の突撃ステップ・アップ便り】
ステップ・アップ・ツアーはここから最終戦まで連戦のハードスケジュールとなる。今週は兵庫県が舞台。大和笑莉奈が選んだ注目選手は?
配信日時:2023年9月25日 08時21分
<SkyレディースABC杯 事前情報◇25日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>
全23試合が行われる今季のステップ・アップ・ツアーは、秋の10連戦の3戦目が26日(火)から開催される。ツアー唯一の4日間は男子の大会も開催する兵庫県ABCゴルフ倶楽部が舞台。難コースを相手に栄冠を勝ち取るのは? 自身も同ツアーに出場する大和笑莉奈が注目選手から聞き出した生の情報をお届けする!
■ツアー最小プロは高校時代は“中の下”
プロフィールの身長は146センチ。今回、大和が話を聞いたのは宮城県出身の大須賀望。昨年のプロテストに合格したルーキーだ。「実は後輩です」と、同じ東北高出身の大和にとって大須賀はぜひ話を聞いてみたい一人だったという。
「今年の成績を見ると、予選落ちはないしトップ10も6回と抜群の成績です」と大須賀の奮闘に注目する。実際、ここまで賞金ランキングは5位。「あとは優勝だけですね」と質問をぶつければ、「早く優勝したいです!」と元気はつらつの答えが返ってくる。
昨年の国内女子ツアー年間女王の山下美夢有は身長150センチ。実は大須賀と同学年で、そんなところも刺激となり、ステップ・アップを目指し戦っている。「爆発力はないけど、毎年毎年アベレージが上がって徐々にうまくなっています」と着実に進化してきた実感がある。
ジュニア時代は高校の団体戦メンバーに選ばれなかったこともあり、「中の下くらいでした。『こいつがプロテストに合格したんだ』くらいに思われていたかも(笑)」と謙遜(けんそん)するが、一歩一歩進む粘り強さは東北出身者らしいといえそうだ。
「飛距離的には、身長の割にはみんなと同じくらいで230~240ヤードくらいです」と小さな体を高校卒業後からビルドアップ。しっかりと飛距離も稼ぎ、急成長を遂げたというパッティングを武器にルーキー旋風の一角として存在感を示している。
■地元大会をスキップしてステップに専念、目指すは来季レギュラー
すでに今季3勝を挙げている同じくルーキーのウー・チャイェン(台湾)が賞金ランキングのトップを独走するなか、大須賀も大健闘。ルーキーで同ランキングトップ10内はこの2人だけ。シーズン終盤戦の活躍も期待されている。
そんな中、「コースも難しいし、4日間大会ですし、実力者が上位にくるイメージのある大会です」と今大会の特徴を話す大和。チャイェンとともに大須賀の上位進出も可能性は高いと見る。先週のステップが土曜日に終わったばかりで、今大会の初日は火曜日と時間がないのは分かっていた。そのため、すでに前もって練習ラウンドを行っているという大須賀。「ほかのステップより距離は長い。特にパー3が長いです。グリーンも速かったです」と、ABC名物の高速グリーンもスコアメークのカギを握ると分析している。準備期間は短くとも、すでに戦闘態勢だ。
実は大須賀は、先週開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の開催コース、利府ゴルフ倶楽部で研修生を経験。地元で推薦出場の話もあったというがステップに専念することを決めた。「ランキングを気にして決めました」。賞金ランキング1位と2位は来季のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得でき、同3~10位に入ればファーストステージを飛ばして、ファイナルからQT(予選会)に参戦可能。「出たかったですが」と心残りはあったが、出場した「中国新聞ちゅーピーレディース」では4位に入り、しっかりと賞金を稼いだ。
「60台が出る回数も増えていますし、今年も徐々に上がっています」と調子は上向き。あとは優勝をたぐり寄せるだけと、静かに闘志を燃やしている。
■プレーオフ敗戦も、初日トップも経験
ちゅーピーレディースでは4位に入っているが、実はプロ初の首位発進を決めていた。「66」をマークし、そのまま優勝戦線を走る予定だったが、「初めての経験でした。2日目は朝の練習からおかしかったんです。調子が悪くないのにダフったりトップしたり。結局3打差で負けたんですけど」と、首位に立った瞬間に見えない緊張感が走った。
「首位からの脱落を経験できたのは今後に生きると思います」と前を向くが、もう一つ貴重な経験もあった。6月の「ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース」でのプレーオフ負けだ。「伸ばしあいで、わたしは4打差で最終日をスタートしたのでひっくり返すのは難しいかなと思っていたけど、意外と上が伸びなくて」と吉本ここねとのプレーオフに突入。惜しくも敗れたが、この敗戦もまたルーキーにとっては貴重な経験の一つに違いない。
そんな二つの惜敗を経験し、地元のレギュラーツアー出場も見送り、いま目指すのは賞金ランキングの浮上。「Skyは賞金も大きいですし」とランキングを上げるには絶好のチャンスだ。来季レギュラーツアー昇格に向け、みちのく魂で頂点を目指す!
解説:大和笑莉奈(やまと・えりな)
1990年2月13日生まれ、山形県出身。中学時代にはアルペンスキーで全国大会出場経験も持つ。宮里藍らを輩出してきた名門の東北高校ゴルフ部に進み腕を磨くと、2009年のプロテストに合格。13年には「エディオンレディースカップ」でステップ・アップ・ツアー優勝。レギュラーツアーでも優勝争いを経験してきた。現在はテレビでの解説なども務め、21年にはゴルフ業界活性化、女子プロゴルファーの新たな可能性追求のため、「LPGA女子プロゴルファーズ連盟」を立ち上げた。
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