＜SkyレディースABC杯　事前情報◇25日◇ABCゴルフ倶楽部（兵庫県）◇6660ヤード・パー72＞

国内女子下部のステップ・アップ・ツアーで唯一となる4日間大会。世界ランキングポイントが付与されるフラッグシップイベントとして、26日から「SkyレディースABC杯」が開幕する。

今シーズン「地域みらいグル－プレディス佐嘉窓乃梅カップ」でステップ初優勝を挙げている、27歳の遅咲きルーキー・高野あかり。「優勝はしたんですけど、それ以外は予選落ちもいっぱいあるし優勝争いもしていないので」と本人が話すように、ステップ出場12試合で優勝1回、トップテン1回、予選落ち6回と、優勝こそあるものの安定した成績を残せていない。

現在までの獲得賞金は457万円強で賞金ランキングは15位につける。ステップの賞金ランキング2位までが来季のレギュラーツアー前半戦の出場権、そして3位～10位までがファイナルQTから出場できるとあって、そのボーダーライン付近にいる高野にとっては是非とも上位フィニッシュが欲しいところ。

現在の調子は、「前回のステップの試合ではかなり調子が悪かったんですが、先週レギュラー（ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン）に出させていただいたんですけど、そこでコーチにキャディをしてもらって、いろいろみてもらうことができました。それで少し良くなったので今週は賞金も大きい（賞金総額4000万円、優勝賞金720万円）し、上位で戦えるように頑張りたいです」。プロ入り前から指導を受ける、プロゴルファーの西野貴治コーチよるアドバイスで復調しつつあることを明かした。

具体的には、アドレスで傾いた軸を修正することでスイングに安定度が増したという。「軸が流れた構えで、そのまま突っ込んで打っていたので、球が曲がったりつかまらなかったりすると軸のブレが余計にひどくなっていたんです」と高野。信頼を置く西野コーチは『4スタンス理論』をゴルフに当てはめた指導をすることで知られ、そのコーチの修正により不調の原因を特定できたことで復調の糸口はつかめたという。

上昇傾向で迎える初日となるが、「先週のレギュラーの結果は悪かった（予選落ち）ですが、内容的には良くて少しずつわかってきた部分もあるので、予選通過を気にしたくないです。上位で優勝争いすることを意識してプレーしたいです」と、ここ最近の不調から、どうしてもカットラインばかりを気にしていて上を目指すプレーができなかったが、ここにきて戦う準備は整った。

27歳・遅咲きルーキーと呼ばれることに「自覚もあったし別に大丈夫です。慣れました。年齢は27歳ですけど、ルーキーはルーキーなので。遅れているのは確かですけど、ずっとプロテストを受けてきた（22年のプロテストに5度目の挑戦で合格）ことを考えるといま試合に出られるのは嬉しい」と話した高野。

プロテスト合格時にアップされた自身のインスタグラムでは「私らしくいつも笑顔で頑張ります」と綴っていたが、結果が出ていない中にあっても、話すその表情には笑顔があふれている。今日の初日、トップスタートで戦いの火ぶたを切る高野。2勝目を目指し勝負の時をむかえる。（文・土屋裕一）