＜中国新聞ちゅーピーレディース　最終日◇23日◇芸南カントリークラブ（広島県）◇6590ヤード・パー72＞

19歳が鮮やかな勝利を決めた。トップと4打差で出たウー・チャイェン（台湾）が6バーディ・ボギーなしの「66」をマーク。あれよあれよとライバルたちを抜き去り、今季3勝目をつかんだ。

賞金ランキング1位の強さをいかんなく発揮した。「優勝よりも自分のゴルフをすることだけ考えていた」と14位からのスタートし、前半で4つのバーディを奪取。この時点で首位タイに立ち、目標を「優勝」に上方修正した。

後半出だし10番のバーディで単独首位に立つと、13番でも8メートルのパットを沈めてリードを広げた。後続も追いすがったが、クラブハウスリーダーのチャイェンを誰も捉えることができず、そのまま栄冠を勝ち取った。

これで今季の獲得賞金は大台の2000万円を突破（2120万8750円）。歴代のシーズン最高賞金額は昨年の賞金女王・櫻井心那が叩き出した2511万4100円だが、櫻井は同時期に1679万2100円だったから、チャイェンは史上最速のペースで賞金を積み重ねている。“櫻井超え”は十分射程圏内だ。

ただ、チャイェンにはステップ以外の“可能性”がある。今週開催のレギュラーツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了時に第2回リランキングが確定。チャイェンは現時点で31位につけており、終盤戦の数試合は出場権がおりてくる見込みだ。そこで優勝、あるいはメルセデス・ランキング上位に入れば、来季のフルシード権を獲得できる。

レギュラーを中心に戦うか。それともステップ賞金女王獲得に専念して、来季の前半戦出場権を得るか。いずれにせよ、ルーキーイヤーの正念場に差し掛かっているのは間違いない。

同学年には櫻井のほか、尾関彩美悠、メジャー覇者の神谷そらに川崎春花といったレギュラーツアー優勝者がズラリとそろう。「本当に強い世代だと思いますし、彼女たちに追いつくことが今の目標です」。台湾の新星が大事な秋の陣に挑んでいく。