なぜミズノのアイアン? 「ZOZO」で聞いた、PGAツアープロの気になる“本音”
タイガーのPGAツアー最多勝で幕を閉じた、国内初のPGAツアー「ZOZO選手権」。こんな機会も中々ないため、本音を聞くため練習日に。「なぜ、ジャパンフォージドを選ぶのか?」。
配信日時:2019年10月31日 09時39分
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質問1 「なぜ、ミズノのアイアンを選ぶの?」
――現在、世界ランク1位をキープするブルックス・ケプカ。残念ながら「ZOZO」の出場は叶わなかったが、この大会には多くのPGAツアープロ、そしてケプカのクラブをサポートするミズノの海外スタッフが来日する。筆者は早速、長年の疑問である“なぜ、契約フリーの強者がミズノのアイアンを選ぶのか?”を同社ツアー担当のジェフ・クックを中心に話を聞くことにした。その前に、まず、選手たちの意見を聞いてみると?
キース・ミッチェル
(昨季パーオン率67.34%/75位、『MP-20』(日本では『ミズノプロ120』に相当)を使用)
「今まであらゆるブレードアイアンを使ってきたけど、過去一番打感がよくてクオリティが一番高いと思います。昨年からミズノのドライバーを使い始めているんですけど、ドライバーも気に入っています。アイアンはソールの形も良くて、アメリカの芝でも日本の芝でも違和感なくヘッドが抜けてくれます」
ルーカス・グローバー
(昨季パーオン率68.15%/50位、『JPX919ツアー』を使用)
「やわらかい打感と素材の良さでミズノのアイアンに決めました。構えたときの顔もいいし、芝の抜けもいい」
キース・ミッチェル
(昨季パーオン率67.34%/75位、『MP-20』(日本では『ミズノプロ120』に相当)を使用)
「今まであらゆるブレードアイアンを使ってきたけど、過去一番打感がよくてクオリティが一番高いと思います。昨年からミズノのドライバーを使い始めているんですけど、ドライバーも気に入っています。アイアンはソールの形も良くて、アメリカの芝でも日本の芝でも違和感なくヘッドが抜けてくれます」
ルーカス・グローバー
(昨季パーオン率68.15%/50位、『JPX919ツアー』を使用)
「やわらかい打感と素材の良さでミズノのアイアンに決めました。構えたときの顔もいいし、芝の抜けもいい」
アダム・シェンク
(昨季パーオン率68.61%/36位、『MP-18SC』(日本では『ミズノプロ518』に相当)を使用)
「同じようなアイアンが他社にもあるけど、打感が全然違います。それに顔が良くて、品質が良くて、ソールの抜けもいい。以前は他社のアイアンを使っていたけど、ミズノの方がはるかに抜けがいい。打感はやわらかいけど、ただやわらかいだけじゃなくて、ちゃんと芯があって、ボールをしっかりつぶせるような感覚があるというか。つぶせるからコントロールできる。今までは他社の鋳造アイアンだったので、その差はすごく大きいです。フェースのサイズや形状もいいし、トップブレードの厚さもちょうどいい。アメリカに戻ったら『MP-20』(日本名:ミズノプロ120)のマッスルバックをテストする予定です」
ダニー・リー(契約外)
(昨季パーオン率66.74%/99位、『MP-20』を使用)
「以前使っていたアイアンよりも打球音や打感がはるかに良いです。クラブの見た目が自分にとってすごく大事で、マッスルバックアイアンでも、あまりにも小さすぎるとプレッシャーを感じてしまう。それよりも若干のやさしさが欲しくて、今は『MP-20』を使っているんですけど、サイズとしてはちょうどいいですね」
(昨季パーオン率68.61%/36位、『MP-18SC』(日本では『ミズノプロ518』に相当)を使用)
「同じようなアイアンが他社にもあるけど、打感が全然違います。それに顔が良くて、品質が良くて、ソールの抜けもいい。以前は他社のアイアンを使っていたけど、ミズノの方がはるかに抜けがいい。打感はやわらかいけど、ただやわらかいだけじゃなくて、ちゃんと芯があって、ボールをしっかりつぶせるような感覚があるというか。つぶせるからコントロールできる。今までは他社の鋳造アイアンだったので、その差はすごく大きいです。フェースのサイズや形状もいいし、トップブレードの厚さもちょうどいい。アメリカに戻ったら『MP-20』(日本名:ミズノプロ120)のマッスルバックをテストする予定です」
ダニー・リー(契約外)
(昨季パーオン率66.74%/99位、『MP-20』を使用)
「以前使っていたアイアンよりも打球音や打感がはるかに良いです。クラブの見た目が自分にとってすごく大事で、マッスルバックアイアンでも、あまりにも小さすぎるとプレッシャーを感じてしまう。それよりも若干のやさしさが欲しくて、今は『MP-20』を使っているんですけど、サイズとしてはちょうどいいですね」
質問2 「ケプカ含め、なぜPGAの契約フリーが選ぶのか?」
――ブルックス・ケプカは、2016年にナイキの撤退でクラブ契約フリーになり、ミズノ『JPX900ツアー』を使用し始めてから躍進しました。いま世界ランク1位で、『JPX919ツアー』でもメジャー勝利をして、7勝中4勝がメジャー。同じく契約フリーのポール・ケーシーやケビン・ツウェイなどなど、PGAツアーの多くの契約フリー選手たちがミズノのアイアンを選ぶ理由はなぜですか?
ジェフ・クック(以下、ジェフ) 「ミズノのアイアンには、クオリティ、イノベーション、どんな素材を使用しているか、どんな鍛造製法なのかなど、アイアンに必要なすべての要素が含まれていて、打感を含め、ツアープロの多くから最も高いクオリティのアイアンだと認められているからだと思います。クオリティとは単なる品質じゃなくて、性能・パフォーマンスを含む総合的な高品質のことですね」
――なるほど。過去の米メディアの調査で、「契約が関係無ければミズノのアイアンを使いたい」と本音を語るPGAツアー選手が全体の36%に達したとか。契約外選手も含め、ミズノのアイアンの「具体的な何を?」評価していると考えますか?
ジェフ・クック(以下、ジェフ) 「ミズノのアイアンには、クオリティ、イノベーション、どんな素材を使用しているか、どんな鍛造製法なのかなど、アイアンに必要なすべての要素が含まれていて、打感を含め、ツアープロの多くから最も高いクオリティのアイアンだと認められているからだと思います。クオリティとは単なる品質じゃなくて、性能・パフォーマンスを含む総合的な高品質のことですね」
――なるほど。過去の米メディアの調査で、「契約が関係無ければミズノのアイアンを使いたい」と本音を語るPGAツアー選手が全体の36%に達したとか。契約外選手も含め、ミズノのアイアンの「具体的な何を?」評価していると考えますか?
ジェフ 「例えば、鍛造工程で入れているスコアラインだとか、CADで設計する重心位置が弾道に大きな影響を与えるんだけれども、ミズノは長年の経験でPGAツアー選手が求める弾道が分かっていて、それを達成するための重心設計がしっかり出来ているんだ。他社もそれが分かっていて、ミズノのアイアンを真似しようとしているんじゃないかな。
具体的には、ソールの抜けが打感と同等以上に大事なポイントで、経験的にPGAツアー選手がどうすれば抜けが良くなるのか? といったデータを膨大に蓄積しています。PGAツアー選手が求める形状に関しても単なる輪郭だけじゃなく、トップラインの厚さ、オフセットの大きさなど、それらを形作るすべての要素が含まれているのは当然です」
具体的には、ソールの抜けが打感と同等以上に大事なポイントで、経験的にPGAツアー選手がどうすれば抜けが良くなるのか? といったデータを膨大に蓄積しています。PGAツアー選手が求める形状に関しても単なる輪郭だけじゃなく、トップラインの厚さ、オフセットの大きさなど、それらを形作るすべての要素が含まれているのは当然です」
質問3 「ブルックス・ケプカのアイアンの好みとは?」
――ブルックス・ケプカが『JPX919ツアー』アイアンに今季チェンジしましたが、どういう要望があったのでしょうか? 契約もしていないのに、世界一が選んでくれるって、普通あり得ないですよね?
ジェフ 「まず、過去の経緯があるのだけれど、前作『JPX900ツアー』はブルックス・ケプカのために作ったことは間違いない。本人もメジャー3勝して気に入っていたよ。そして今使っている『JPX919ツアー』を作る際に、彼に次は何を求めるのか? 聞いたんだ。ほぼ不満はなかったんだが、【唯一挙げるとするのなら、トップラインの厚さだけだと。もう少し薄い方が好み】と言っていたね。でも、『JPX900ツアー』が気に入っているから、強い要望というわけでも無く、あくまでも強いて言うならレベルだね。
ジェフ 「まず、過去の経緯があるのだけれど、前作『JPX900ツアー』はブルックス・ケプカのために作ったことは間違いない。本人もメジャー3勝して気に入っていたよ。そして今使っている『JPX919ツアー』を作る際に、彼に次は何を求めるのか? 聞いたんだ。ほぼ不満はなかったんだが、【唯一挙げるとするのなら、トップラインの厚さだけだと。もう少し薄い方が好み】と言っていたね。でも、『JPX900ツアー』が気に入っているから、強い要望というわけでも無く、あくまでも強いて言うならレベルだね。
それで、ミズノは『JPX919ツアー』のトップラインを薄くすることにしたんだ。プロトタイプを作ってケプカに手渡す時に、そのことは言わなかったんだけど、やっぱりケプカは一発で見抜いたね。そして、一発OKで気に入ってくれたんだ。だからケプカの要望としては『JPX919ツアー』はトップラインだけで、既に『JPX900ツアー』でソールや形状、打感などほぼ全てが彼好みになっていたところから、より完璧なものが手に入った形だね。
ケプカだけじゃなく、PGAツアー選手のほとんどが薄いトップラインを好むんだ。トップラインが薄いと弾道がどうこうではなくて、見た目の問題だね。ここが厚いものになると、今までのクラブと別物のように感じて違和感が出てしまう。見慣れていないし、PGAツアープロが求めるものとはこういうものなんだ」
ケプカだけじゃなく、PGAツアー選手のほとんどが薄いトップラインを好むんだ。トップラインが薄いと弾道がどうこうではなくて、見た目の問題だね。ここが厚いものになると、今までのクラブと別物のように感じて違和感が出てしまう。見慣れていないし、PGAツアープロが求めるものとはこういうものなんだ」
質問4 「世界のボールストライカーばかりが『JPX919ツアー』を選ぶ理由は?」
――なるほど。ケプカはその『JPX919ツアー』アイアンに今季チェンジして早速メジャーに勝ちましたが、日本でもイ・ミニョンや穴井詩、ジャズ・ジェーンワタナノンドなど、『JPX919ツアー』を使う選手が増えました。その、共通点はボールストライカーなこと。芝質もコースもパワーも違いますが、なぜ、ケプカを含むボールストライカーばかりが『JPX919ツアー』を使うのだと思いますか?
ジェフ 「う〜ん、そう言えば、ボールストライクに優れて、ショートゲームが平均的なルーカス・グローバーも『JPX919ツアー』を選んでいるね……。これはボクの推測だけど、やっぱりこのサイズ感や形状、打感がボールストライカーに好まれるんだろうね。そして、ソール形状も大きいと思う。アメリカだけじゃなく、日本の芝でもきちんと機能してくれるはずだよ。『JPX919フォージド』というやさしいモデルもラインナップにあるんだが、そうではなく『ツアー』を選ぶということは、このサイズだったり、打感の良さ、フィードバックを求めているはず。少なくとも単純な寛容性を求めるわけじゃないのは間違いないね。
ジェフ 「う〜ん、そう言えば、ボールストライクに優れて、ショートゲームが平均的なルーカス・グローバーも『JPX919ツアー』を選んでいるね……。これはボクの推測だけど、やっぱりこのサイズ感や形状、打感がボールストライカーに好まれるんだろうね。そして、ソール形状も大きいと思う。アメリカだけじゃなく、日本の芝でもきちんと機能してくれるはずだよ。『JPX919フォージド』というやさしいモデルもラインナップにあるんだが、そうではなく『ツアー』を選ぶということは、このサイズだったり、打感の良さ、フィードバックを求めているはず。少なくとも単純な寛容性を求めるわけじゃないのは間違いないね。