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    未発表・タイトリスト『ボーケイSM8』のアマ試打レポ。「そりゃ、プロがすぐ替えるのも分かる」

    ALBA.netではシーディング当初の昨年11月からタイトリスト『ボーケイSM8』について追いかけ続けてきました。ついに試打できたため、アマ試打の第一印象をお伝えします!

    配信日時:2020年1月22日 01時36分

    • ギア
    目次 / index
    未発表ですが、シーディングされている『ボーケイSM8』ウェッジ
    未発表ですが、シーディングされている『ボーケイSM8』ウェッジ
    • 同じ58°の【Dグラインド】。『SM7』はプログレッシブCGデザインで、バックフェース上部に高重心のための肉盛りが…
    • 左が『SM7』、右が『SM8』。ネック付近がご覧の細さ!これが視覚的な安心感の源です!
    • 写真だと分かりづらいですが、肉眼だとフトコロ部分の安心感が段違い!アプローチシャンカーの筆者にはホント有り難い…(泣)
    • ネックが長いと、なぜか振りやすく、学生時代のやり込んだ時期の良いフィーリングが蘇ってきます…
    • 仕上げだけでなく、ロフト、ソール形状、バンスと、業界最多のバリエーションを誇るナンバーワンウェッジ
    この記事の写真 6 枚を見る

    バックフェースの肉盛りが真っ平らに。『SM7』とどこが違う?

    同じ58°の【Dグラインド】。『SM7』はプログレッシブCGデザインで、バックフェース上部に高重心のための肉盛りが…

    同じ58°の【Dグラインド】。『SM7』はプログレッシブCGデザインで、バックフェース上部に高重心のための肉盛りが…

    筆者 「これが新しいタイトリストボーケイSM8』かぁ〜、バックフェースのデザインが、現行の『SM7』はプログレッシブCGデザインで、ロフト域ごとに肉盛りが変わってましたけど、全部真っ平らなんですね。これでスピン量落ちたりしないのかな……」

    筒 「ボクも、まずそれに驚きました。『SM7』はすごく評価の高いモデルですし、『SM6』『SM7』から一気に簡単になったというか、使える人の幅が急激に広がったと感じていたので、この変更は意外な気がします」

    筆者 「同感。ボクも昔のイメージで【ボーケイは難しい】とか、勝手に思い込んでいましたけど、『SM7』ではっきりそれが思い込みだと打って分かりましたから。プログレッシブCGデザインのせいかはわかりませんが、手で投げるみたいに、ポーンとヘッドを落とすだけで、柔らかい球がかなりの確率で同じ球を打てる。本当、一番簡単なウェッジが『SM7』じゃないの!?ってあの時は思いましたね。自分の出したい距離感と球の高さを、かなり再現しやすいウェッジ。言葉にすると【打ちやすい】という単純な言葉に集約されちゃうのが残念ですけど……」

    筒 「でも長岡さん、このネックの長さみてください。同じ【Dグラインド】の58°で『SM7』と『SM8』を見比べると、かなりネックの長さが違うんですよ。これ、『SM8』はネックの長さで高重心化してるはず! でも、どうなんだろう、このネックの長さって、昔のウェッジ並みとまでは言いませんけど、けっこうな長さですよ?」

    筆者 「確かに……。筒さん、顔の変更は感じます?」

    筒 「顔は違いますね。なんて言ったらいいんだろう……、面長になりましたね。FPとかはそこまで変わらないんですけど、やさしくなった感じがします。(でも、開きやすいな、コレ……)」

    筆者 「なんか、イーデルっぽくて、ネックが怖くない」

    左が『SM7』、右が『SM8』。ネック付近がご覧の細さ!これが視覚的な安心感の源です!

    左が『SM7』、右が『SM8』。ネック付近がご覧の細さ!これが視覚的な安心感の源です!

    筆者 「たしかに、ぱっと見はサイズは同じに見えるんですけど、なんか面長感というか、イーデルっぽさを感じます。これ、フトコロというか、ネック周りが広いですって! ほら、ネックの付け根が『SM7』より『SM8』の方が全然細いですもん!」

    筒 「!!! うわぁ〜〜、ちょっとしたことに見えますけど、全然安心感が違いますよ、コレ……。特に、アプローチシャンクが出がちな中・上級者は、これだけでもかなり安心感が違うもん!(チラッ)」

    筆者 「………。(こっち見んなって)筒さん、アプローチシャンカーということ、思い出させないでくださいってば!!(怒)じゃあ、同じ58°で【Dグラインド】の『SM7』と『SM8』を『プロV1』ボールで打ち比べていきましょう。距離は短いですけど、グリーン周りの生芝練習が藤沢ジャンボゴルフでは試せますからね」

    ―― 15ヤード近辺 ――

    筒 「長岡さん、もう、これ買うしかないですね。今回はやられました……」

    筆者 「えっ、打ち始めたばかりなのに、もう!? そんなにすぐ違いって分かるんですか?」
    写真だと分かりづらいですが、肉眼だとフトコロ部分の安心感が段違い!アプローチシャンカーの筆者にはホント有り難い…(泣)

    写真だと分かりづらいですが、肉眼だとフトコロ部分の安心感が段違い!アプローチシャンカーの筆者にはホント有り難い…(泣)

    筒 「全然違うじゃん! FPがしっかり出ていて球の拾いやすさもありますし、音と打感が明らかに穏やかです。球がフェースに乗ってる時間が長いというか、手で投げたみたいに柔らかい球で寄せられます。エースパターと同じことですよ、最後のボールの転がりが止まる付近まで距離感がコントロールできないと安心できないでしょ? それと同じことです。ウェッジも止まる寸前まで、いろんな打ち方で計算できないと、自信を持って打てない」

    筆者 「………。(たしかに…)筒さん、ボクさっきラフからどれくらいスピンがかかるのかなって、試しにシャッとヘッド低く出しながら打ってみたら、強烈なスピンがかかってビックリしました…。『SM7』より『SM8』の方がなぜかフェースに乗るのはボクでも実感できますね」

    筒 「さっきの激スピンはマグレだと思いますけど、インパクトのコンタクトした瞬間から普通は少し地面の抵抗でヘッドスピードが落ちると思うんですよ。でも、『SM8』はそこが速い。速くヘッドが抜けていく分、『SM7』よりボールを押してる時間が長くなると思うんです。だから、ボールを噛んでる時間も長くなって、打感が柔らかく、スピンも増すんだと理解してますね」

    筆者 「ロングネックは、昔の良かったフィーリングが蘇る」

    ネックが長いと、なぜか振りやすく、学生時代のやり込んだ時期の良いフィーリングが蘇ってきます…

    ネックが長いと、なぜか振りやすく、学生時代のやり込んだ時期の良いフィーリングが蘇ってきます…

    筆者 「たしかに、ソール形状も同じ【Dグラインド】ですけど、若干違うような気がしますね。明らかに『SM8』の方が抜けがいいですし。あと、芯を外した時に『SM7』だとちょっとソリッドな打感を感じるし距離も落ちるんですけど、『SM8』だと、その感触がほぼ感じられない。これって、芯を外さなくなっただけなのか、芯が広いのか、メッキや溝のせいなのかがよく分からないですが……」

    筒 「ゴルファーにはプラシーボ効果が働きますからね。心理面というのは、パッティングやアプローチほど大きくなります。長岡さん、『SM8』を打ってる時は自信に満ち溢れて見えますよ。なんか、少し淀んだタイミングになったり、スピードを緩めたりする節がないです。気持ちよく何も考えずに本能のままに打てているから芯に当たるのでは?」

    筆者 「それ、めちゃくちゃ有ると思います! っていうかね、さっきからゴルフを始めた20数年前のフィーリングがどんどん蘇り始めてるんですよ。学生時代のアプローチで遊んでた頃の感覚というか…。それがなぜだろうと振り返ると、ネックが長いからじゃないのかな? って。2000年前後って、ボクはネックの長い角溝を使ってて、その頃のフィーリングが蘇ってる気がします」

    筒 「………。(なんか、無理くりだな、当時も下手だったんじゃないの!?) 長岡さん、つべこべ言わずに、バンカーショットもテストして! ここのバンカーは、フカフカの砂が大量に入ってて、めちゃ難しいよ!トーナメントコースでもたまにしかないレベルのフカフカ感ですから!」

    ―― ボフッ×3(ダフリで出ず)――

    筆者 「ギャーーー、このフカフカな砂、超〜〜苦手!!! せっかく今までのアプローチで『SM8』への印象が最高だったのに、筒さんの罠にヤられたァ〜〜〜(大泣)」

    筒 「ボクも1球めそうなったので、分かりますよ。長岡さん、思い切ってトライして欲しいんですが、【アプローチと同じように打って】みてください! バンカーからそんな風には普段打たないと思うんですけど、騙されたと思ってトライしてみて!」

    ―― パンッ×3(1.5m、80cm、1.2mのベタピン)――

    筆者 「!!!!! うそ〜〜〜、ナニコレ!? フカフカ砂ってこんなに簡単だったの!?」

    筒 「基本性能が高すぎるから、逆に選ぶのが難しい」

    仕上げだけでなく、ロフト、ソール形状、バンスと、業界最多のバリエーションを誇るナンバーワンウェッジ

    仕上げだけでなく、ロフト、ソール形状、バンスと、業界最多のバリエーションを誇るナンバーワンウェッジ

    筒 「ね!言ったとおりだったでしょ? 普通、砂に空間がありまくるフカフカ砂って、ヘッドが潜りすぎて出なくなるじゃないですか。でも、普段のピッチエンドランの感覚で打つと、『SM8』のソールと溝の作りのせいなのか、簡単に出るんですよ、なぜか……。やっぱり、基本性能がめちゃくちゃ高いんだと思います」

    筆者 「うおぉぉ〜〜〜、一番苦手なバンカーが、一番簡単な方法で得意になるとはァ〜〜」

    筒 「長岡さん、気持ちは分かるけど、興奮し過ぎ(笑) これ、超フカフカバンカーもそうでしたし、ラフが枯れてるとはいえ、そこでも同じ感覚を持てました。フェースの溝とか、ソール形状とか、重心とか、いろいろクラブを構成する要素ってあると思うんですけど、どれかにフォーカスするってやっぱりおかしい。そのどれもが、絶妙なバランスでゴルファーの【打ちやすさ】【自信を持って緩まず打てる】結果に繋がらなくちゃいけない。やっぱり、さすがボブ・ボーケイというか、『SM8』はウェッジを構成するすべての要素を高次元でバランスよく仕上げてるなと。基本性能が全部高いので、【打ちやすッ!】ってなるんだと思います。でも……、それが弱点というか…」

    筆者 「えっ!? どこが弱点なんですか! ストロングポイントしかない最強のウェッジでしょ、どう考えても………」

    筒 「いや、購入する時、困るんです。今日のレビューもそうですけど、【Dグラインド】って、基本的に長岡さんが選んだスペックですし、ボクも打ちやすいですよ? いろんなテクニックも使えるし、安定感も同時にある。でも、『SM7』の頃からそうですが、『ボーケイSM8』にはたくさんのソール、バンスバリエーションがあります。そして、我々が感じたまま【SM8はイイ!】って言えば言うほど、購入ミスも増えるというか。自分に最適なソール形状を選べないのが一般ゴルファーですし、ウェッジを試打して選べる環境も少ない。だから、せっかくの基本性能の高さがありながら、選択肢の広さ故に、ミスマッチも起きてしまうかもしれないことを危惧します。これは、ショップの店員さんの腕と、ゴルファー自身の目利きに任せるしかないので…」

    筆者 「心配し過ぎでしょ。っていうか、弱点なんて無いです。今日打って確信しましたけど、そりゃプロもすぐ替えるわなって。1試合前のソニーオープンで、『ボーケイ』がPGAツアーの歴代最高使用率57%に達したらしいんです。その総数228本中、なんと『SM8』が180本ですよ!? まだ発表もしてないし、シーディング中なのにこの数ですからね……。今日打ったことで、替えたくなるプロの気持ちもよく分かりました」

    筒 「………。(プロはあなたには分かられたくない!)」

    Text/Mikiro Nagaoka

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