『ローグST』は歴代ヘッドでボールスピード最速? 3千人以上テストした、プロフィッターに聞く
飛距離への影響度が【7割】と言われる、ボールスピード。一番初速の出るヘッドはどこの何なのか?公平な目で比較してきたプロフィッター吉川さんの意見を、新作『ローグST』を交えて改めて聞くと?
配信日時:2022年2月24日 08時30分
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前回のまとめ。3千人中【約6割がキャロウェイで最速】
どのドライバーが、一番ボールスピードが出るのか? この永遠のテーマは契約フリープロのみならず、全てのアスリートゴルファーの最重要テーマ。なぜなら飛距離に最も影響するのが【ボールスピード】だからだ。
この問いに明確な回答をくれるのが、元シャフトメーカーのフィッター兼ティーチングプロで現在は独立、東京・市ヶ谷にある【4Plus Fitting Lab】の代表を務める、吉川仁さんだ。弾道計測器の「トラックマン4」「GCクワッド」の他あらゆる計測器を用意し、動作解析「GEARS」も備えた“飛びの研究所”とも呼べる施設である。
▶▶▶前回の記事はコチラ!
古巣のシャフトメーカーでフィッティングしていた際は、キャロウェイの他大手外ブラの最新ヘッドを毎年全て取り揃えて試打環境を作っていた。その中で、飛距離を求める人にはほぼキャロウェイで結果が出たとか。
この問いに明確な回答をくれるのが、元シャフトメーカーのフィッター兼ティーチングプロで現在は独立、東京・市ヶ谷にある【4Plus Fitting Lab】の代表を務める、吉川仁さんだ。弾道計測器の「トラックマン4」「GCクワッド」の他あらゆる計測器を用意し、動作解析「GEARS」も備えた“飛びの研究所”とも呼べる施設である。
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古巣のシャフトメーカーでフィッティングしていた際は、キャロウェイの他大手外ブラの最新ヘッドを毎年全て取り揃えて試打環境を作っていた。その中で、飛距離を求める人にはほぼキャロウェイで結果が出たとか。
「前回もテストして分かったように、ボクの3千人以上のフィッティング経験の中で、一番ボールスピードが出やすいのはキャロウェイですね。全体の約6割のゴルファーが、キャロウェイのヘッドだとボールスピードが最速になった経験がありますので、ここは経験上、揺るぎないところ。
ただ、キャロウェイなら【どれでもいい】というわけではなく、経験上、最もボールスピードが出たのは、『EPIC FLASH SUB ZERO』です。契約フリーの女子プロ複数が使用していましたが、このヘッドは群を抜いて真ん中打点でボールスピードが出ます」(吉川さん)
ただ、キャロウェイなら【どれでもいい】というわけではなく、経験上、最もボールスピードが出たのは、『EPIC FLASH SUB ZERO』です。契約フリーの女子プロ複数が使用していましたが、このヘッドは群を抜いて真ん中打点でボールスピードが出ます」(吉川さん)
2022年の新作の中で、最速ボールスピードは?
▶▶▶吉川さんのYoutube「ツアープロとローグST打ってみた」
たしかに『EPIC FLASH SUB ZERO』は、当時契約フリー選手の多くが【ウェイト外し】で使用し、長距離を出していたヘッド。吉川さんは「2本の柱が入ってから、そしてAI設計のフェースになってからが特にボールスピードが速くなった」と話す。
その2つの条件を備えたモデルは、『EPIC FLASH』シリーズ以降も、2020年の『MAVRIK』シリーズ、2021年の『EPIC SPEED』シリーズ、そして2022年の『ROUGE ST』シリーズと代を重ねている。最新作の印象はどうなのか?
たしかに『EPIC FLASH SUB ZERO』は、当時契約フリー選手の多くが【ウェイト外し】で使用し、長距離を出していたヘッド。吉川さんは「2本の柱が入ってから、そしてAI設計のフェースになってからが特にボールスピードが速くなった」と話す。
その2つの条件を備えたモデルは、『EPIC FLASH』シリーズ以降も、2020年の『MAVRIK』シリーズ、2021年の『EPIC SPEED』シリーズ、そして2022年の『ROUGE ST』シリーズと代を重ねている。最新作の印象はどうなのか?
▶▶▶吉川さんのYoutube「ドラコン選手とローグST打ってみた!」
「やっぱり、キャロウェイ自ら【ボールスピードゲーム】と言うだけのことはありますよ。色んなメーカーの2022年モデルの新作を既に打っていますが、もちろん、ボールスピードはトップ。ただし、『ローグST』シリーズの純正シャフトが各モデル非常に柔らかくてしなる印象があるので、そこの部分でアスリートゴルファーだと最速を体感できていない人がいる可能性もありますね。
まだ、最速ヘッド『EPIC FLASH SUB ZERO』と『ローグST』シリーズは比較していませんが、新作『ローグST』シリーズと各社の最新作との比較は全て終わって動画も投稿しています。今回の『ローグST』シリーズは、すごく打感と音がソフトになっていて、球をインパクト以降で押していきたいボクにとっては、すごく良くなった印象ですよ」(同)
「やっぱり、キャロウェイ自ら【ボールスピードゲーム】と言うだけのことはありますよ。色んなメーカーの2022年モデルの新作を既に打っていますが、もちろん、ボールスピードはトップ。ただし、『ローグST』シリーズの純正シャフトが各モデル非常に柔らかくてしなる印象があるので、そこの部分でアスリートゴルファーだと最速を体感できていない人がいる可能性もありますね。
まだ、最速ヘッド『EPIC FLASH SUB ZERO』と『ローグST』シリーズは比較していませんが、新作『ローグST』シリーズと各社の最新作との比較は全て終わって動画も投稿しています。今回の『ローグST』シリーズは、すごく打感と音がソフトになっていて、球をインパクト以降で押していきたいボクにとっては、すごく良くなった印象ですよ」(同)
最も気になる『テンセイProオレンジ1K』で試打!
そこで、純正シャフトではなく、吉川さんが最も気になっている三菱ケミカルの最新作『テンセイProオレンジ1K』の60Sを使用し、『EPIC FLASH SUB ZERO』と『ローグST MAX』、『ローグST MAX LS』とボールスピード比較をすることに。
事前の予想では、「さすがに、歴代1位の『EPIC FLASH SUB ZERO』は越えないかもしれませんね」とのことだったが、結果は、下記のようになった。
【1位】ローグST MAX LS/平均68.96m/s (68.3、68.6、70.0)
【2位】ローグST MAX/平均68.43m/s (67.5、69.1、68.7)
【3位】EPIC FLASH SUB ZERO/平均66.63m/s (66.7、65.2、68.0)
事前の予想では、「さすがに、歴代1位の『EPIC FLASH SUB ZERO』は越えないかもしれませんね」とのことだったが、結果は、下記のようになった。
【1位】ローグST MAX LS/平均68.96m/s (68.3、68.6、70.0)
【2位】ローグST MAX/平均68.43m/s (67.5、69.1、68.7)
【3位】EPIC FLASH SUB ZERO/平均66.63m/s (66.7、65.2、68.0)
念のため、筆者も『EPIC FLASH SUB ZERO』と『ローグST MAX LS』を打ち比べてみると、下記のような結果になった。驚きは、『ローグST』の方が、打つ度にどんどん『EPIC FLASH SUB ZERO』の初速を引き離していくところ。吉川さんと同様に3球で打ち止めたが、最速の差が下記のようになった。
【1位】ローグST MAX LS/最速75.3m/s
【2位】EPIC FLASH SUB ZERO/最速72.8m/s
【1位】ローグST MAX LS/最速75.3m/s
【2位】EPIC FLASH SUB ZERO/最速72.8m/s
振ってないのに、初速が出る理由は?
筆者の印象としては、ハードヒットも強振もしていないのに、「アレッ?」という感想。『EPIC FLASH SUB ZERO』は、その耳をつんざく爆音も相まって、「ハードヒット」している感覚があったが、『ローグST』シリーズは大人しい音とフェースに吸い付く感触。
「ハードヒットした」感覚とは程遠いにもかかわらず、ボールスピードが出ていた。こちらの方が、まだ余裕があるというか、振ってハードヒットすれば、もっと上の数字を目指せる実感が確実にあった。吉川さんもこう言う。
「ハードヒットした」感覚とは程遠いにもかかわらず、ボールスピードが出ていた。こちらの方が、まだ余裕があるというか、振ってハードヒットすれば、もっと上の数字を目指せる実感が確実にあった。吉川さんもこう言う。
「明らかに、『EPIC FLASH SUB ZERO』は、フェースの真ん中のいい部分に当たった時だけ、凄まじい初速が出る印象です。ボクらプロや打点ブレの少ない上級者にとっては武器になりますが、アマチュアの方には【初速が安定しない】結果になるかも。その点で、今回の『ローグST』シリーズは段違いですね。
『EPIC FLASH SUB ZERO』の真ん中でしか出なかったボールスピードが、打点を外しても出る印象です。特に寛容性の高い『ローグST MAX』のスイートエリアは、『EPIC FLASH SUB ZERO』の比べ物にならない。高初速エリアが軽く2、3倍に拡がっている印象すらしますね。しかも、けっこう低スピン」(同)
『EPIC FLASH SUB ZERO』の真ん中でしか出なかったボールスピードが、打点を外しても出る印象です。特に寛容性の高い『ローグST MAX』のスイートエリアは、『EPIC FLASH SUB ZERO』の比べ物にならない。高初速エリアが軽く2、3倍に拡がっている印象すらしますね。しかも、けっこう低スピン」(同)
たしかに、筆者も純正シャフトで打った時は、しなりすぎてスピン量が増えていたが、今回『テンセイProオレンジ1K』で打つと、全く印象が異なり低スピンでぐいぐい前に行く弾道になった。吉川さんは「当たり前ですが、シャフト次第で、化けますよ、このヘッド」と話す。
「前回『EPIC FLASH SUB ZERO』が出た時、女子プロは『テンセイCK Proオレンジ』と組み合わせる人が多かったですが、今回の『1Kオレンジ』になって、切り返しのもたつきがなくなり、復元の速さが際立って感じますよね。シャフトも振り遅れてプッシュになりづらいし、今回のキャロウェイ『ローグST』は4機種全体につかまりがいい。
「前回『EPIC FLASH SUB ZERO』が出た時、女子プロは『テンセイCK Proオレンジ』と組み合わせる人が多かったですが、今回の『1Kオレンジ』になって、切り返しのもたつきがなくなり、復元の速さが際立って感じますよね。シャフトも振り遅れてプッシュになりづらいし、今回のキャロウェイ『ローグST』は4機種全体につかまりがいい。
速度を上げても落としても追従性の高い『1Kオレンジ』のようなシャフトなら、『ローグST』シリーズの寛容性とボールスピードの速さをそのまま活かせる印象です。これなら振って打点が暴れても、MAXに近いボールスピードを出せることは確定してますし、4つのヘッドから確実にゴルファー個々に合うものが選べるのも嬉しい」(同)
吉川さんの【3千人以上のフィッティング経験の6割がキャロウェイ】という経験値は、今回も揺らぐどころか、強化されてしまったようだ。
Text/Mikiro Nagaoka
吉川さんの【3千人以上のフィッティング経験の6割がキャロウェイ】という経験値は、今回も揺らぐどころか、強化されてしまったようだ。
Text/Mikiro Nagaoka