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「オデッセイしか、勝たん!」。未発表1Wの連勝で調べると、今季の女子ツアー勝率に驚愕!

「オデッセイしか、勝たん!」。未発表1Wの連勝で調べると、今季の女子ツアー勝率に驚愕!

2022年のツアーも秋を迎え、いよいよ終盤戦に。勝者のギアに注目すると、今季は凄まじい勝率を叩き出すパターブランドの存在が。こんなに勝ってたなんて、知ってました!?(GettyImages)

配信日時:2022年10月20日 08時00分

ダンロップ勢の未発表ドライバー使用者が4連勝!

今季の国内女子ツアーを春先に牽引したのは、ミズノ契約の西郷真央だった。第11戦目の「ブリヂストンレディス」で早くも今季5勝するなど、その破竹の勢いも記憶に新しい。が、同年代のダンロップ契約・山下美夢有が、その後3勝し、現在メルセデスランキングで1位になっている。

秋口に川崎春花、尾関彩美悠と、フレッシュな選手のツアー初優勝が続くなど、常に話題に事欠かない女子ツアー。直近では尾関に続き、山下美夢有、勝みなみ、小祝さくらとスリクソンZXプロトタイプ』という未発表1Wを入れたダンロップ勢の怒涛の4連勝があったばかり。
今季3勝目の山下美夢有、メルセデスランキングも1位へ
日本女子オープンを連覇した勝みなみ
小祝さくらの今季2勝目は、300万円のパターからオデッセイへ
尾関彩美悠がスリクソンの未発表ウッドにガラッと切り替え初優勝!
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今季3勝目の山下美夢有、メルセデスランキングも1位へ
“未発表”にて確認が取れないが、何か秘密があるのか?と探ると、ある【勝者の共通点】に気づいた。4連勝した全員が、オデッセイのパター使用者。気になってさらに調べると、今季の女子ツアー32試合中、なんとオデッセイ24勝単なる“使用率”ではなく【勝率が75%】にも達していた。

今年のエンゼルス・大谷翔平が6月頃に連敗ストッパーとなり「大谷翔平しか、勝たん!」と話題になったが、言うなればこれと同じ状況がずっと続いていることになる。今季の女子はオデッセイしか、勝たん!」に近い状況なのだ。

どんなモデルが勝っている?

左から西郷真央の『ロッシー』、山下美夢有の『2-BALL BLADE』、岩井千怜の『♯1W CS』。すべて『ホワイトホットOG』です

左から西郷真央の『ロッシー』、山下美夢有の『2-BALL BLADE』、岩井千怜の『♯1W CS』。すべて『ホワイトホットOG』です

だが、ゴルファー同士でよく話題になるのは、【女子プロは『トラス』人気なんでしょ?】というものだ。昨季の稲見萌寧の印象が強いため、そう思うのも無理はないが、わずか1年も経たないうちに、こんなに【勝ちパター】が変化するとは……。

では、オデッセイ【どのモデルが勝っていたか?】。順位に直して集計してみると、当然だが、下記のように複数勝利しているプロの使用モデルが上位に来ていた。

1位―5勝、WHITE HOT OG ROSSIE(西郷真央)
2位―3勝、WHITE HOT OG 2-BALL BLADE(山下美夢有)
   3勝、WHITE HOT OG #1W CS(サイペイイン、岩井千怜)
4位―2勝、WHITE HOT OG #7 S(西村優菜)、2-BALL ELEVEN CH(菊地絵理香、イ・ミニョン)、TEN TRIPLE TRACK(青木瀬令奈、小祝さくら)、O-WORKS ♯1(勝みなみ)
ちなみにオデッセイ24勝中、ノンインサートの『トゥーロン サンディエゴ』は2勝のみ。そして「ホワイト・ホット」インサート以外を使ったのが、木村彩子(METAL-X-MILLED #2)だけ。つまり、21勝が「ホワイト・ホット」インサートの使用者だ。

これは全体使用率から考えれば、当然の数字か。何しろ、秋で出場者が絞られる直近大会でも、108人中71人(使用率65.7%)がオデッセイだ。2位のテーラーメイドが16.7%で、3位のピンが11.1%となれば、これだけ多くの選手が使い慣れ、距離感の出しやすいインサートが勝つのも当然だと言える。

女子だけじゃない。男子は20戦13勝!

では、【男子ツアーはどうか?】と言うと、女子ツアーには及ばないものの、こちらも今季20戦して13勝がオデッセイと、勝率が65%にも達していた。オデッセイしか、勝たん!」とまで言えないものの、凄まじい勝率だ。

最多勝モデルは3勝で比嘉一貴と稲森佑貴の『ELEVEN』。続いて2勝が今平周吾の『2-BALL TEN』と、マレット型の【勝ちパター】がより目立つ。調べてみると、女子ツアーではマレット:ブレードの割合が「17勝:15勝」とほぼ半々だったのに対し、男子ツアーでは「15勝:5勝」となっていた。
男子プロは、マレット型が強く、最新作が勝ちパターに

男子プロは、マレット型が強く、最新作が勝ちパターに

ブレード5勝の中には、スコット・ビンセントと池村寛世が使った『TRI-HOT 5K TRIPLEWIDE』を含めたが、この3倍近くの幅広ブレードは、「マレットに近い」と言っていいかもしれない。オデッセイが今年、この形状の垣根を自ら壊し、再定義していた。

その増えた選択肢に、元々マレットが優勢な男子プロたちも、グリーンに合う「ホワイト・ホット」インサートの最適モデルを自由に選んで結果に繋げていた。

最も“契約フリー”で選ぶから、実は一番注目すべき!

秋の高額賞金大会を前に、ここまで男女ツアーの【勝ちパター】を見てきたが、改めてギア好きとして、大切なことに気づく。我々アマは「下手だから、パターなんて何でも同じ」と考えがちだが、プロには生活がかかっている。

当たり前だが「パット・イズ・マネー」で、その成否は死活問題。だからこそ、何十年も前から数多のクラブメーカーが【パターの使用契約を外している】ことがほとんどだった。(昔から契約で縛るのはPINGくらい?)ダンロップ勢の4連勝も全てオデッセイなのは、彼女たちがパター契約フリーだからである。
昨今、増えてきた【契約フリー選手】の使用ドライバーなどに我々ギア好きは注目しがちだが、元々パターというクラブ自体、「多くのプロが契約フリーだった」事実。当たり前過ぎて実は盲点だが、【パターこそ、プロの本音が、最も現れる】

そんな目線で見ると、パターの場合は【使用率】も【勝率】も、数字の持つ意味合いが全く変わってくる。生活・成績のために、何にも縛られずにプロたちが選んだ結果、「オデッセイしか、勝たん!」。この勝率を巻き返せるメーカーは、残り試合を考えれば【皆無】だろう。

Text/Mikiro Nagaoka

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