タイガーの“鉄学”がテーラーメイドのバックボーンに
――プロが好む鍛造モノは「即座に使えるよう、変えすぎてはいけない」との宿命を持つ。テーラーメイドはタイガーの“意のままに操る”アイアン哲学を背景に、テクノロジーとフィーリングを高次元で融合、『P7MB』と『P7MC』という2つの鍛造の新作を生み出した。2つの詳細を見る前に、まずはタイガーの理想を具現化した『P7TW』というDNAを振り返っておこう――
稀代のショットメーカーであるタイガーは、スピン量の多い糸巻きボール育ち。「十代の頃にスピードに頼らずにスピン量を落とし、風の影響を抑える技を磨いた。常に弾道のカーブも操って距離感を合わせることでアイアンショットが飛躍して、全盛期を迎えた」との経験を持つ。風向きやライなど状況の変化に応じて、その時に最適な七色の弾道を操ることがPGAツアー82勝の根幹となってきた。
稀代のショットメーカーであるタイガーは、スピン量の多い糸巻きボール育ち。「十代の頃にスピードに頼らずにスピン量を落とし、風の影響を抑える技を磨いた。常に弾道のカーブも操って距離感を合わせることでアイアンショットが飛躍して、全盛期を迎えた」との経験を持つ。風向きやライなど状況の変化に応じて、その時に最適な七色の弾道を操ることがPGAツアー82勝の根幹となってきた。
そんなタイガーは、アマ時代のミズノ、タイトリスト、ナイキを経てテーラーメイドに参加した17年から自身の好みを具現化。全く同じソールをCNC成形できる『P7TW』は、世界屈指のショットメーカーで知られるトミー・フリートウッドや元世界一のスコッティ・シェフラーらが契約フリー時代から飛びつく名器。
伝説の男、タイガー・ウッズの究極の要求は、その製法のみならず、同社のアイアン開発を抜本的に底上げし、彼のアイアン哲学が同社の開発における大きなバックボーンとなっている。
伝説の男、タイガー・ウッズの究極の要求は、その製法のみならず、同社のアイアン開発を抜本的に底上げし、彼のアイアン哲学が同社の開発における大きなバックボーンとなっている。
世界一・マキロイ好みな新『P7MB』
そんなタイガー好みの長めのブレード長(約75.4mm)のマッスルバックとは異なり、『P730』の系譜から『RORS PROTO』というブレード短め(約73mm)を好んできたのが、世界一を奪還したローリー・マキロイだ。今回の『P7MB』は、DJ好みのブレード長75mmに近かった前作とは異なっている。
新しい『P7MB』は、マキロイ好みのサイズ感を反映した。打点裏も台形状により分厚く深いフィールを生み、クリーンなルックスと高い操作性、打感を両立している。通常、他社の軟鉄鍛造は2〜3回鍛造が一般的だが、同社は2000トン圧の5回鍛造で成形、フィーリングが何より大事な名手たちの高い要求に応える。
新しい『P7MB』は、マキロイ好みのサイズ感を反映した。打点裏も台形状により分厚く深いフィールを生み、クリーンなルックスと高い操作性、打感を両立している。通常、他社の軟鉄鍛造は2〜3回鍛造が一般的だが、同社は2000トン圧の5回鍛造で成形、フィーリングが何より大事な名手たちの高い要求に応える。
名手、コリンも即投入の新『P7MC』
マキロイだけでなく、SG:アプローチ・ザ・グリーンで常にPGAツアー上位に位置する、現代のアイアンの名手がコリン・モリカワだ。コリンもタイガーの「フィーリングが全て」の“創造性”に激しく同調する一人。「コースや風向き、ライなど同じ状況はなく、全て流動的で状況に合わせる必要があり、自分のフィーリングが最も大切。そこを基準に最適な攻めのショットを選ぶことがアイアンショットの真髄」とする。
『P7MC』で昨季「全英オープン」に勝利し、コンボセッティングで愛用してきたコリン。新しい『P7MC』も『P7MB』と同様5回鍛造かつ、さらにプロ好みなシャープな美観になり、早速「ヒーローワールドチャレンジ」から実戦投入している。オフセットが減りトップラインも薄くなったのだが、ユニークなのはバックフェース上部を厚くして、MOIも引き上げたこと。
「美しい形状で構えやすく、打感がいい」といった選手のフィーリング面を決して犠牲にせず、テクノロジーと融合させるところが何ともテーラーメイドらしい。そして、そのアイアンの開発哲学が最も色濃く反映されたのが、次に紹介する新しい『P770』である。
『P7MC』で昨季「全英オープン」に勝利し、コンボセッティングで愛用してきたコリン。新しい『P7MC』も『P7MB』と同様5回鍛造かつ、さらにプロ好みなシャープな美観になり、早速「ヒーローワールドチャレンジ」から実戦投入している。オフセットが減りトップラインも薄くなったのだが、ユニークなのはバックフェース上部を厚くして、MOIも引き上げたこと。
「美しい形状で構えやすく、打感がいい」といった選手のフィーリング面を決して犠牲にせず、テクノロジーと融合させるところが何ともテーラーメイドらしい。そして、そのアイアンの開発哲学が最も色濃く反映されたのが、次に紹介する新しい『P770』である。
「いい顔+テクノロジー」の極み。新『P770』をタイガーも使う?
――生ける伝説・タイガーのアイアン哲学を受け継ぐテーラーメイドだが、「綺麗な顔にテクノロジーを融合する」のが最も得意とするところ。この進歩を好感し、タイガーも昨季『P770』を投入している――
同じ中・上級者向けの『Pシリーズ』の中でも、革新の中空構造を採用してきたのが『P770』と『P790』だ。よりコンパクトな『P770』は、ついに昨季タイガーがロングアイアンを投入して大きな話題になったが、新作はよりシャープな美観へとリファインされている。
こう聞くとプロや上級者は喜ぶが、一部のアマチュアには「より難しくなった?」と邪推する向きが必ず出てくるもの。さにあらず、今作はタングステンの内部ウェイトを番手別に最適配置して重心位置を調整し、番手間の距離差をより明確に進化させていた。
同じ中・上級者向けの『Pシリーズ』の中でも、革新の中空構造を採用してきたのが『P770』と『P790』だ。よりコンパクトな『P770』は、ついに昨季タイガーがロングアイアンを投入して大きな話題になったが、新作はよりシャープな美観へとリファインされている。
こう聞くとプロや上級者は喜ぶが、一部のアマチュアには「より難しくなった?」と邪推する向きが必ず出てくるもの。さにあらず、今作はタングステンの内部ウェイトを番手別に最適配置して重心位置を調整し、番手間の距離差をより明確に進化させていた。
また、ソール幅がやや薄くなったものの、バンスが強くなり刺さりづらく、打感や打球音も『P7MB/MC』など軟鉄鍛造により近いマイルドさに。つまり、「いい顔のアイアンほど難しい」という、従来のアイアンの定説を完全に覆している。
この辺りは既存の『P790』を使う人は既に実感済みのはずだが、プロもアマも両方が喜ぶ形へと、PシリーズのDNAである「いい顔とテクノロジーの融合」がより強化されていた。この形であれば、タイガーだけでなく、他のトッププロの採用も来季は加速するかもしれない。
『ディアマナサンプ』装着もマスト試打!
また、新たなカーボンシャフトの選択肢、三菱ケミカル『ディアマナサンプ』という同社の新提案にも注目だ。「美しくもやさしい」ヘッドに最適な、先端剛性の高い新シャフトは入射角をよりコントロールしやすく、特にラフから打つショットでインパクトの挙動を安定させられるとか。
上記のように95gをテストした長谷川プロも「スチールシャフトを使うボクでも全く違和感がなく、しなりが少なめかつ素直でシャープ。軽量スチールより最高到達点をラクに上げられるし、打感もマイルドに感じます。最近は若手男子プロでもカーボンシャフト使用者が多いので、いい意味で期待を裏切られると思います」と絶賛していた。
セレクトフィットストア限定の『P7MC』でも『ディアマナサンプ』装着モデルが選べるが、まずはヘッドとして注目度満点の『P770』の試打から、新『Pシリーズ』の実力のほどを体感してみては?
上記のように95gをテストした長谷川プロも「スチールシャフトを使うボクでも全く違和感がなく、しなりが少なめかつ素直でシャープ。軽量スチールより最高到達点をラクに上げられるし、打感もマイルドに感じます。最近は若手男子プロでもカーボンシャフト使用者が多いので、いい意味で期待を裏切られると思います」と絶賛していた。
セレクトフィットストア限定の『P7MC』でも『ディアマナサンプ』装着モデルが選べるが、まずはヘッドとして注目度満点の『P770』の試打から、新『Pシリーズ』の実力のほどを体感してみては?