今季PGAツアーでベテランが活性! “老舗メーカー”と“職人”がフィーリング派飛躍のカギ!?【記者の目】
今季PGAツアーでベテランが活性! “老舗メーカー”と“職人”がフィーリング派飛躍のカギ!?【記者の目】
配信日時:2019年1月15日 05時24分
「ソニーオープン・イン・ハワイ」は、40歳のベテラン、マット・クーチャーが優勝。トータル22アンダーで後続に4打差をつける圧勝で、11月の「マヤコバクラシック」に続く今季2勝目を挙げ、賞金ランク2位に浮上した。なお、使用クラブは下記のようになっている。
1W:ブリヂストン TOUR B JGR(9.5°)
3W:タイトリスト TS2(13.5°)
UT:ブリヂストン TOUR B XD-H(18°)、PINGアンサー(20°)
5I〜PW:ブリヂストン J15CB
AW:ブリヂストン J40 フォージド(52°)
SW:クリーブランド RTX-4(56°)、RTX-3(62°)
PT:ベティナルディ DASS KM-1(アームロック)
BALL:ブリヂストン TOUR B X
■ハウエルIII、ウッドランド、ローズが飛躍!?
PGAツアー2018−2019シーズンは、ベテランが気を吐いている。クーチャーの2勝もそうだが、39歳のチャールズ・ハウエルIIIも11年ぶりの勝利を飾っており、昨季のPXGからクラブをタイトリストに一新したタイミングだったことも印象深い。老舗メーカーには、ベテラン選手を引き上げるノウハウがあるのだろうか。
⇒チャールズ・ハウエルIII、11年ぶりの3勝目。使用クラブが激変!PXGからタイトリストへ
今季未勝利だが、「セントリー・オブ・チャンピオンズ」で優勝争いの末、2位になったのがゲーリー・ウッドランド。(34歳をベテランと呼ぶのか、微妙なところだが…)彼もまた、老舗中の老舗・ウイルソンと契約を発表し、新アイアンに慣れたタイミングで大活躍を見せた。(昨季は契約フリー)
そして、何より気になるのが、現在世界ランキング1位で、ホンマと契約を発表した38歳のジャスティン・ローズ。3Dキャドが汎用化された現代においても伝統のモノづくり、職人の手によるヘッド開発を行う老舗メーカー・ホンマと契約した。そして、先程リビエラGCで行われた契約発表会で下記のように語る。
「ホンマはサポートが素晴らしい。クラブに関する希望リストを伝えたら、信じられないクオリティで返ってくる。自分が思ったとおりにディテールを作ってくれるんだ。これまでのゴルフ人生では素晴らしいキャリアが積み上がってきたけど、(全米オープン以外の)3つのメジャーも勝ちたいし、より上を目指すためにホンマを選んだ。ゴルフはマネーボールみたいな部分もあるからね」(ジャスティン・ローズ)
1ミリ単位のズレにもこだわるというトッププロだからこそ、“1を伝えて10返ってくる”という酒田工場の職人たちによるサポート体制がぴったりはまった。既に『TW747 ROSE PROTO』を中心としたアイアンに好感触なことも明かし、老舗メーカーとの化学反応でさらなる進化につながりそうだ。
⇒【記者の目】2019年、新アイアンで始動する強者たち(ローズ、ウッドランド、モリナリ)
■タイガーの『TW-Phase-1』も職人の手削り
昨季のタイガー(42歳)の復活にも、職人の力が大きかったと思えてならない。テーラーメイドと契約したものの、タイガーのアイアンはナイキ時代から彼の好みをよく知るマイク・テーラーがグラインドした特注プロト。『TW PHASE-1』がそれだが、今後は『PHASE-2』もあるかもしれない。
⇒タイガー・ウッズ、テーラーメイド『TW PHASE1』アイアンを投入!
この予想と関連するか不明だが、直近でトミー・フリートウッドがずっと愛用してきたナイキ『VR Pro』から、テーラーメイドの新しいプロトタイプアイアンのテストを行っている模様。画像を見るとバックフェースには『P-7TW』とあり、タイガーを連想させる刻印が入っている。
フリートウッドは、もうスペアすら手に入らないナイキ『VR Pro』を手放せない状態が長く、破損せぬよう、大切に使用してきたことを明かしている。(昨年ポール・ケーシーにストックを売ってくれと頼んだほど)そんなタイガーの意見が入った『VR Pro』の代わりを探すため、現在テーラーメイドに移籍し、タイガーの意見でプロト開発をさせているテーラーメイドのアイアンに光明を見出したのか。
いずれも想像の域を出ないが、昔をよく知るベテランプレーヤーの復活だけでなく、繊細なフィーリングを持つ若手選手の飛躍にも、経験と技術を持つ職人の存在が鍵を握っていると感じる。ジャスティン・ローズが認めるとおり、老舗メーカー出身の職人には、プレーヤーの言語化できないフィーリングを形にする技術と経験が詰まっているはずである。
Text/Mikiro Nagaoka
1W:ブリヂストン TOUR B JGR(9.5°)
3W:タイトリスト TS2(13.5°)
UT:ブリヂストン TOUR B XD-H(18°)、PINGアンサー(20°)
5I〜PW:ブリヂストン J15CB
AW:ブリヂストン J40 フォージド(52°)
SW:クリーブランド RTX-4(56°)、RTX-3(62°)
PT:ベティナルディ DASS KM-1(アームロック)
BALL:ブリヂストン TOUR B X
■ハウエルIII、ウッドランド、ローズが飛躍!?
PGAツアー2018−2019シーズンは、ベテランが気を吐いている。クーチャーの2勝もそうだが、39歳のチャールズ・ハウエルIIIも11年ぶりの勝利を飾っており、昨季のPXGからクラブをタイトリストに一新したタイミングだったことも印象深い。老舗メーカーには、ベテラン選手を引き上げるノウハウがあるのだろうか。
⇒チャールズ・ハウエルIII、11年ぶりの3勝目。使用クラブが激変!PXGからタイトリストへ
今季未勝利だが、「セントリー・オブ・チャンピオンズ」で優勝争いの末、2位になったのがゲーリー・ウッドランド。(34歳をベテランと呼ぶのか、微妙なところだが…)彼もまた、老舗中の老舗・ウイルソンと契約を発表し、新アイアンに慣れたタイミングで大活躍を見せた。(昨季は契約フリー)
そして、何より気になるのが、現在世界ランキング1位で、ホンマと契約を発表した38歳のジャスティン・ローズ。3Dキャドが汎用化された現代においても伝統のモノづくり、職人の手によるヘッド開発を行う老舗メーカー・ホンマと契約した。そして、先程リビエラGCで行われた契約発表会で下記のように語る。
「ホンマはサポートが素晴らしい。クラブに関する希望リストを伝えたら、信じられないクオリティで返ってくる。自分が思ったとおりにディテールを作ってくれるんだ。これまでのゴルフ人生では素晴らしいキャリアが積み上がってきたけど、(全米オープン以外の)3つのメジャーも勝ちたいし、より上を目指すためにホンマを選んだ。ゴルフはマネーボールみたいな部分もあるからね」(ジャスティン・ローズ)
1ミリ単位のズレにもこだわるというトッププロだからこそ、“1を伝えて10返ってくる”という酒田工場の職人たちによるサポート体制がぴったりはまった。既に『TW747 ROSE PROTO』を中心としたアイアンに好感触なことも明かし、老舗メーカーとの化学反応でさらなる進化につながりそうだ。
⇒【記者の目】2019年、新アイアンで始動する強者たち(ローズ、ウッドランド、モリナリ)
■タイガーの『TW-Phase-1』も職人の手削り
昨季のタイガー(42歳)の復活にも、職人の力が大きかったと思えてならない。テーラーメイドと契約したものの、タイガーのアイアンはナイキ時代から彼の好みをよく知るマイク・テーラーがグラインドした特注プロト。『TW PHASE-1』がそれだが、今後は『PHASE-2』もあるかもしれない。
⇒タイガー・ウッズ、テーラーメイド『TW PHASE1』アイアンを投入!
この予想と関連するか不明だが、直近でトミー・フリートウッドがずっと愛用してきたナイキ『VR Pro』から、テーラーメイドの新しいプロトタイプアイアンのテストを行っている模様。画像を見るとバックフェースには『P-7TW』とあり、タイガーを連想させる刻印が入っている。
フリートウッドは、もうスペアすら手に入らないナイキ『VR Pro』を手放せない状態が長く、破損せぬよう、大切に使用してきたことを明かしている。(昨年ポール・ケーシーにストックを売ってくれと頼んだほど)そんなタイガーの意見が入った『VR Pro』の代わりを探すため、現在テーラーメイドに移籍し、タイガーの意見でプロト開発をさせているテーラーメイドのアイアンに光明を見出したのか。
いずれも想像の域を出ないが、昔をよく知るベテランプレーヤーの復活だけでなく、繊細なフィーリングを持つ若手選手の飛躍にも、経験と技術を持つ職人の存在が鍵を握っていると感じる。ジャスティン・ローズが認めるとおり、老舗メーカー出身の職人には、プレーヤーの言語化できないフィーリングを形にする技術と経験が詰まっているはずである。
Text/Mikiro Nagaoka