「全米オープン」3連覇を狙うケプカの陰で、「トリプルグランドスラム」を懸けた戦い【記者の目】
「全米オープン」3連覇を狙うケプカの陰で、「トリプルグランドスラム」を懸けた戦い【記者の目】
配信日時:2019年6月12日 01時49分
<全米オープン 事前情報◇10日◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)>
今年の「全米オープン」の舞台はペブルビーチ・ゴルフリンクス。米ツアーの「AT&Tペブルビーチプロアマ」の舞台でもあり、フィル・ミケルソンが過去に5勝するなど、キャリアの長い選手ほど、勝手知ったるコースである。海沿いの断崖の上にある同コース、松山英樹は初となる舞台の感想をこう漏らしている。
「大変ですね、グリーン外すと。外さないようにといってもこの小ささだと無理だと思うので。行ったところでどういうショットが必要か考えて、うまく対応できたらなと思う。マネージメントはないですね。グリーンに乗せるだけで精一杯、大きいグリーンで外してはいけないサイドというのはあるけれど、これだけ小さいとちょっとのミスが行ってはいけないところというのは。それをあんまり考えずにグリーンに乗せることだけに集中したい」(松山英樹)
PGAツアーでも屈指のアイアンの切れを誇る松山でも警戒する「グリーンの小ささ」。横にも縦にも小さく、外すと深いラフでトラブルとなる。もちろん、ティショットはフェアウェイからライのいい状態で打たなければいけないことを意味する。そして、縦にも横にもブレない高弾道を放つには短い番手のセカンドが有利。
■「全米プロ」の再来はなるか!?ケプカの3連覇がかかる…
そこで誰しもが浮かぶのは「全米」と名のつくメジャーにめっぽう強い、ブルックス・ケプカの存在だろう。直近の「全米プロ」も猛ラフのモンスターコース、ベスページブラックを制しており、「全米オープン」「全米プロ」を連覇中で、今大会は3連覇がかかる。そして先週の「RBCカナディアンオープン」では「いい状態でペブルビーチに入れれば」と話していた。
その先週はFWキープ率が「51.79%」の50位タイと、ドライバーが不発でトータル2アンダーの50位タイで終わった。調整を兼ねた大会とはいえ、幾分の不安を感じてもおかしくない。ただし、メジャーが始まった途端に、異様な力を発揮するのも持ち味。予想が当てはまる男にあらずだ。
そして、ケプカがキャリア6勝のうち、立て続けにメジャーで4勝を挙げるに伴い、奇妙な【ダブルグランドスラム】が生まれていた。何のことかと言えば、彼の使用するドライバーシャフトにその答えがある。
■三菱ケミカルが2017年からメジャー10連勝中…
ケプカが長らくドライバーに愛用するのは、三菱ケミカル『Diamana WHITE D+』だ。タイガー・ウッズもこの白マナの系譜に戻すことで、復活優勝を遂げている。
そして、なんと、三菱ケミカルグループ(アルディラ含む)のドライバーシャフトは、2017年の「マスターズ」からメジャーの連勝を継続中で、直近の2019年「全米プロ」まで目下10連勝中。下記のように、ダブルグランドスラムから、【トリプルグランドスラム】に向けたあと2つに向かう途中なのだ。
【2017年】
「マスターズ」S・ガルシア(KUROKAGE Silver TiNi DC)
「全米オープン」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
「全英オープン」J・スピース(ALDILA NV 2KXV Blue 70X)
「全米プロ」J・トーマス(Diamana BF 60TX)
【2018年】
「マスターズ」P・リード(ALDILA Rogue Silver 70X)
「全米オープン」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
「全英オープン」F・モリナリ(Tensei White 60X)
「全米プロ」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
【2019年】
「マスターズ」T・ウッズ(Diamana WHITE D+ 60TX)
「全米プロ」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
なぜ、こんなにも強いのか。答えは、当たり前だが、トッププロからの信頼に基づく高い使用率にある。昨年の4大メジャーの平均ドライバーシャフト使用率は約32%。実に、トッププロの3人に1人が三菱ケミカルかアルディラのシャフトだから、勝率が高くなるのも当然と言えば当然。(欧州ツアーはもっと使用率が圧倒的)
そして、先週の「RBCカナディアンオープン」では、『Tensei CK Pro White 70TX』を使用するローリー・マキロイが圧巻のドライバーショットで最終日に「61」と爆発し、今季2勝目。はたして三菱ケミカルの【トリプルグランドスラム】への道は継続されるだろうか。
Text/Mikiro Nagaoka
今年の「全米オープン」の舞台はペブルビーチ・ゴルフリンクス。米ツアーの「AT&Tペブルビーチプロアマ」の舞台でもあり、フィル・ミケルソンが過去に5勝するなど、キャリアの長い選手ほど、勝手知ったるコースである。海沿いの断崖の上にある同コース、松山英樹は初となる舞台の感想をこう漏らしている。
「大変ですね、グリーン外すと。外さないようにといってもこの小ささだと無理だと思うので。行ったところでどういうショットが必要か考えて、うまく対応できたらなと思う。マネージメントはないですね。グリーンに乗せるだけで精一杯、大きいグリーンで外してはいけないサイドというのはあるけれど、これだけ小さいとちょっとのミスが行ってはいけないところというのは。それをあんまり考えずにグリーンに乗せることだけに集中したい」(松山英樹)
PGAツアーでも屈指のアイアンの切れを誇る松山でも警戒する「グリーンの小ささ」。横にも縦にも小さく、外すと深いラフでトラブルとなる。もちろん、ティショットはフェアウェイからライのいい状態で打たなければいけないことを意味する。そして、縦にも横にもブレない高弾道を放つには短い番手のセカンドが有利。
■「全米プロ」の再来はなるか!?ケプカの3連覇がかかる…
そこで誰しもが浮かぶのは「全米」と名のつくメジャーにめっぽう強い、ブルックス・ケプカの存在だろう。直近の「全米プロ」も猛ラフのモンスターコース、ベスページブラックを制しており、「全米オープン」「全米プロ」を連覇中で、今大会は3連覇がかかる。そして先週の「RBCカナディアンオープン」では「いい状態でペブルビーチに入れれば」と話していた。
その先週はFWキープ率が「51.79%」の50位タイと、ドライバーが不発でトータル2アンダーの50位タイで終わった。調整を兼ねた大会とはいえ、幾分の不安を感じてもおかしくない。ただし、メジャーが始まった途端に、異様な力を発揮するのも持ち味。予想が当てはまる男にあらずだ。
そして、ケプカがキャリア6勝のうち、立て続けにメジャーで4勝を挙げるに伴い、奇妙な【ダブルグランドスラム】が生まれていた。何のことかと言えば、彼の使用するドライバーシャフトにその答えがある。
■三菱ケミカルが2017年からメジャー10連勝中…
ケプカが長らくドライバーに愛用するのは、三菱ケミカル『Diamana WHITE D+』だ。タイガー・ウッズもこの白マナの系譜に戻すことで、復活優勝を遂げている。
そして、なんと、三菱ケミカルグループ(アルディラ含む)のドライバーシャフトは、2017年の「マスターズ」からメジャーの連勝を継続中で、直近の2019年「全米プロ」まで目下10連勝中。下記のように、ダブルグランドスラムから、【トリプルグランドスラム】に向けたあと2つに向かう途中なのだ。
【2017年】
「マスターズ」S・ガルシア(KUROKAGE Silver TiNi DC)
「全米オープン」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
「全英オープン」J・スピース(ALDILA NV 2KXV Blue 70X)
「全米プロ」J・トーマス(Diamana BF 60TX)
【2018年】
「マスターズ」P・リード(ALDILA Rogue Silver 70X)
「全米オープン」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
「全英オープン」F・モリナリ(Tensei White 60X)
「全米プロ」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
【2019年】
「マスターズ」T・ウッズ(Diamana WHITE D+ 60TX)
「全米プロ」B・ケプカ(Diamana WHITE D+ 70TX)
なぜ、こんなにも強いのか。答えは、当たり前だが、トッププロからの信頼に基づく高い使用率にある。昨年の4大メジャーの平均ドライバーシャフト使用率は約32%。実に、トッププロの3人に1人が三菱ケミカルかアルディラのシャフトだから、勝率が高くなるのも当然と言えば当然。(欧州ツアーはもっと使用率が圧倒的)
そして、先週の「RBCカナディアンオープン」では、『Tensei CK Pro White 70TX』を使用するローリー・マキロイが圧巻のドライバーショットで最終日に「61」と爆発し、今季2勝目。はたして三菱ケミカルの【トリプルグランドスラム】への道は継続されるだろうか。
Text/Mikiro Nagaoka