優勝者のスイング
臼井麗香のスイングは何がスゴい? 「クラブを上げる、下ろすのスピードが同じ」だからリズムが崩れない【優勝者のスイング】
アクサレディスで初優勝を飾った臼井麗香。そのスイングから学ぶべきポイントをプロコーチの南秀樹に聞いた。
配信日時:2024年3月27日 10時05分
最終ラウンドが悪天候で中止となったアクサレディス宮崎は、第2ラウンド終了時点で通算13アンダーの単独首位だった臼井麗香がツアー初優勝。1998年度生まれの“黄金世代”として14人目の優勝者となった。
優勝会見で「大振りだったスイングを小さく強くという意識に変えた」と明かした臼井。プロコーチの南秀樹も「スイングテンポが早く、歯切れの良い、キレのあるスイングですね」と分析。今大会では30/36と8割を超えるパーオン率と、連日“26”としたパットが初優勝を呼び込んだ。
そんな彼女のスイングからは、一定のスピード振るスイングリズムを参考にしたい。一定に振ることで、切り返しに間が生まれスイングが安定。リズムをコントロールすることで、中途半端な番手間の距離の打ち分けも容易になる。目指すところは、「振りたいリズムで上げる、上げたリズムで振ること」だ。
ミスショットの原因ナンバーワンともいえるのが、打ち急ぎや振り遅れといったようにリズムが崩れることだ。トップまでクラブが上がり切る前に切り返したり、早く体が開いたりすれば、クラブのしなり戻りを待つことができずミートしにくくなってしまう。
こうしたリズムの乱れは、“ゆっくり上げて、早く下ろす”など、スイング中のスピードが一定でないことが起因となっている。「クラブを上げる、下ろすスピードは同じにするのがスイングを安定させる条件」という。
練習ではステップをしながら、下半身でリズムを作ってスイングしたい。1球ずつステップしながら打つ定番のドリルをはじめ、アドレスしてからボールの上を2度、3度と連続素振りをし、その流れで打つのも効果的な練習方法だ。
練習ではうまく打てても、本番さながらにアドレスするとリズムが取れなくなるなら、その1つ前の動作からスピードを意識してみよう。プリショットルーティンでは、ターゲットを確認してからボールを見てクラブを上げていくだろう。この目線を戻す時点からクラブを上げるスピードを意識するのだ。
具体的には、ターゲットからボールに視線を戻す早さを、クラブを上げる、下ろす早さと同じに。視線を戻すと同時にクラブを上げていけば、アドレスで固まることなく、スムーズに、リズミカルに動き出せる。
リズムが整えば、余計な力みがなくなりバランス良く振れる。再現性の向上、そして飛距離アップにも効果抜群だ。
南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属
◇ ◇ ◇
●さあゴルフシーズン本番! スコアに一番大事なのは、何を隠そう『パッティング』。ショットが曲がり倒しても、パッティングさえ入れば「パターは七難隠す」で大崩れはありません。関連記事【春だ!ゴルフだ!】で春のパター特訓といきましょう!
優勝者のスイング