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    【第18回】諸見里しのぶの“ザ・レッスン” アイアンで学ぶショット力向上の秘訣#1「スイングを安定させるアドレス」

    練習場ではそこそこいいショットが出ているのに、コースに出るとスイングが安定しない。そんな経験は誰にでもあるだろう。考えられる大きな理由は「アドレスが安定していないからです」と、諸見里しのぶはいう。アドレスの手順を間違っているから、ヘッドの重さを感じることができず手打ちを呼び込んでスイングを崩すのだと教えてくれた。ではアドレスを安定させてショット力を向上させる方法は? 現役時代、再現性の高い美しすぎるスイングと評判だった諸見里の答えは?

    配信日時:2021年12月28日 03時00分

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    目次 / index
    • 自分からボールを打ちにいく意識が強くなると、上体に力が入り突っ込んでミスを呼び込みやすい
    • スイングする中にボールがあり、クラブが振られる通過点でインパクトを迎えることが大事
    • フェースをターゲットに向け、ボールに対してフェースを合わせてからスタンスを決める
    • 腰の高さで両手でグリップしてからフェースをターゲットに合わせる。クラブの重みを感じやすくなる。スタンスを決めるのは最後
    • グリップをしてから構えることで、右ヒジにゆとりを持たせることができる。右ヒジにゆとりがあることで、手元を体の近くに通して体幹でクラブを振ることができる
    • クラブを短く持ちクローズスタンスで構え、左軸で素振り。ハンドファーストを強く意識して振り下ろす
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    自分からボールを打ちにいかない

    自分からボールを打ちにいく意識が強くなると、上体に力が入り突っ込んでミスを呼び込みやすい

    自分からボールを打ちにいく意識が強くなると、上体に力が入り突っ込んでミスを呼び込みやすい

    調子はさほど悪くないはずなのに、コースに出たら曲がり球が出て、スイングを気にし始めたらさらに球が大きく曲がってしまった。そんな経験ありませんか。私たちプロゴルファーにもあることですが、それは正確に当てたい、遠くに飛ばしたいという気持ちが高じて、自分からボールを打ちにいっているから。上体の力を抜きスイングの中にボールがある感じでクラブを振って、インパクトを迎えることが大事です。
    スイングする中にボールがあり、クラブが振られる通過点でインパクトを迎えることが大事

    スイングする中にボールがあり、クラブが振られる通過点でインパクトを迎えることが大事

    構えるときに先にスタンスをつくらない

    ボールを目の前にしてクラブを手にはするけど、決して自分から打ちにいかない。そのために大事なのはアドレスです。ヘッドの重さを感じて上体の力を抜き、アドレスを正しくつくっていないと、スイングの再現性が悪くなります。変に手先でクラブを操作しなくても、しっかり当たる構えをつくる。それが一番大事です。

    そのためには先にスタンスを決めないこと。足場を先に決めてしまうとボールを打ちにいく意識が強くなりやすく、上体に力が入る原因になります。また自分とボールとの距離が安定せず、体勢でボールとの距離を合わせてしまうことにもなり、手打ちになってスイングの再現性が悪くなります。
    フェースをターゲットに向け、ボールに対してフェースを合わせてからスタンスを決める
    腰の高さで両手でグリップしてからフェースをターゲットに合わせる。クラブの重みを感じやすくなる。スタンスを決めるのは最後
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    フェースをターゲットに向け、ボールに対してフェースを合わせてからスタンスを決める
    アドレスをつくるときの順番に気をつけてください。ボールに正対したら、腰の高さでフェースをターゲットに向けてスクエアにグリップ。体の正面にあるヘッドの重みをおなかで感じながら、フェースをボールに対してセットします。そして上体を前傾しながら、スタンスを決める。先にスタンスを決めて上体の前傾具合でボールとの距離を調整していると、力の入れ方が変わりやすく、アドレスは安定しません。

    再現性を高めたかったら、腰の高さでグリップをしてヘッドの重みを感じながらスタンスを決めるのがオススメです。まずは程よい長さで振りやすい7番か8番アイアンで、自分の安定した構えを知ることから始めましょう。長すぎず短すぎないミドルアイアンはクラブの重みを感じやすく、自分から打ちにいかない構えをつくりやすいはずです。
    グリップをしてから構えることで、右ヒジにゆとりを持たせることができる。右ヒジにゆとりがあることで、手元を体の近くに通して体幹でクラブを振ることができる

    グリップをしてから構えることで、右ヒジにゆとりを持たせることができる。右ヒジにゆとりがあることで、手元を体の近くに通して体幹でクラブを振ることができる

    私もそうだったのですが上体力が入りやすい人は、右肩が前に出て右ヒジが突っ張った構えになり、自分からボールを打ちにいきやすくなります。これを矯正する意味でも、グリップをしてフェースをボールに合わせてからスタンスをつくるのは有効です。腰の高さで両手グリップをしたときに右ヒジに程よいゆとりができるからです。右ヒジにゆとりがあると、手元を体の近くに通して体幹を使ってクラブを振れるようになり、インサイドから下りてきたクラブがしっかりボールをつかまえてくれます。

    コースで不調を感じたらクローズスタンス素振り

    クラブを短く持ちクローズスタンスで構え、左軸で素振り。ハンドファーストを強く意識して振り下ろす
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    クラブを短く持ちクローズスタンスで構え、左軸で素振り。ハンドファーストを強く意識して振り下ろす
    腰の高さでグリップをして、クラブの重さを感じながらボールに対してフェースを合わせてからスタンスを決める。そうやってアドレスをつくっていても、コースに出ていれば緊張した場面に出くわして上体に力が入ってしまうことがあります。当てたい気持ちが強くなり上体に力が入ると、クラブを振り下ろしたときにリリースが早くなり上体が伸び上がってミスを呼んでしまいます。上体に力が入ったなと感じたら、クラブを短く持ちクローズスタンスで構えて左軸で素振りを2〜3回行ってください。このときハンドファーストで振り下ろすイメージを強く持つこと。腕の力に頼らず体の回転で振れて、程よいタイミングでリリースが行えるようになります。
    諸見里しのぶ
    もろみざとしのぶ 1986年7月16日生まれ、沖縄県出身。屈指のショットメーカーでツアー通算9勝。9歳でゴルフを始め、ジュニア時代は2005年に世界女子マッチプレー選手権で唯一のアマチュアゴルファーとして出場が認められた。 同年7月にプロテストに合格し、わずか出場3試合で翌年のシード権を獲得。2006年にSANKYOレディースオープンで初優勝。2007年には日本女子オープンゴルフ選手権競技で国内メジャー初タイトルを手にした。2009年には史上8人目となる JLPGAメジャー3冠を達成。現在は、女子ツアーのトーナメントコースセッティング担当として活躍。メディア活動にも数多く挑戦しており、分かりやすい解説が好評。

    取材協力・江連忠ゴルフアカデミー東京校 撮影・村上航
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