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    【第19回】諸見里しのぶの“ザ・レッスン” アイアンで学ぶショット力向上の秘訣#2「ミート率を上げる簡単ドリル」

    コースに出たら大きなミスショットは打ちたくない。ティショットをフェアウェイに置き、グリーン狙うショットではピンそばに寄せたいものだ。だが、常にうまく打てるわけではない。少しでもナイスショットの確率を上げるには、スイングを安定させる必要がある。ショット力を向上させる効果的な簡単ドリルを、現役時代に再現性の高い美しすぎるスイングと評判だった諸見里しのぶに教えてもらった。

    配信日時:2021年12月29日 03時00分

    目次 / index
    • 低くティアップしてハーフスイングで打つ。10球ハーフスイングで打ったら、1球フルスイングで打つ。それを繰り返すことで、上体の力を抜いて体で振るスイングが身に付く
    • スイングの始動からフィニッシュまで、30秒から1分かけてゆっくり素振りを行う。ゆっくり振るほど難しいが、自分の体がどこでどう動いているのかが分かる
    • クラブを逆さに持って左手1本で素振りを行う。クラブが軽くなって余計な力が入りにくい
    • 構えて目標を確認するとき、左肩が上がって目線が上を向きやすい。目標を確認するときは、左右の目を結んだ線が地面と平行になるようにして低い方向を見る
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    アドレス時のチェックポイントを減らす

    プロゴルファーも同じですが、アドレス時に考えすぎると体の硬化を呼んでミスショットにつながります。私も構えてから動き始めるまでに十数個のポイントをチェックしていた時期がありました。それは考えすぎ。チェックポイントが多すぎると、いざ勝負だというときにコースと向き合えなくなります。構えたときに弾道のイメージが湧かなくなってしまうんです。チェックポイントは一つか二つに絞りましょう。

    チェックするポイントは「力を抜く」とか「短く持つ」とか、「ハーフで振る」などシンプルなものがいいでしょう。そのためには、日ごろの練習で自分のスイングのベースをつくっておかなければなりません。効果的な簡単なドリルを紹介しましょう。使う番手は14本あるクラブの真ん中の番手、7番アイアン。最近のアイアンはロフトが立ちシャフトが長くなってきているので8番アイアンもオススメです。

    上体の力を抜いてハーフスイング

    低くティアップしてハーフスイングで打つ。10球ハーフスイングで打ったら、1球フルスイングで打つ。それを繰り返すことで、上体の力を抜いて体で振るスイングが身に付く
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    低くティアップしてハーフスイングで打つ。10球ハーフスイングで打ったら、1球フルスイングで打つ。それを繰り返すことで、上体の力を抜いて体で振るスイングが身に付く
    当たりが悪いのは、自分から打ちにいっているからです。そんなときはフルスイングではタイミングがズレるばかり。低くティアップして、小さな動きでボールを打つことから始めましょう。ボールが真っすぐ飛ぶインパクトのポイントを探ることが、ミート率を上げるためには重要です。基本は腰から腰の振り幅で10球ほど打ったらフルスイングで1球打つ。それを繰り返してください。繰り返しているうちに手先に力が入りすぎていたことが分かるはず。上体の力が程よく抜けて、体の回転で腹筋や背筋を意識してクラブの重さを使って打つ動きが分かるでしょう。私は足の裏に力を感じながら打っています。

    ティアップは最初のうちは低くめがオススメです。高くティアップしたほうが打ちやすそうに思えますが、高くティアップすると打点がズレたりヘッドが下から入りやすくなります。ほんの少しだけティアップするだけで打ちやすくなるので、試してみてください。

    体の動きを確認するならスローモーション素振り

    スイングの始動からフィニッシュまで、30秒から1分かけてゆっくり素振りを行う。ゆっくり振るほど難しいが、自分の体がどこでどう動いているのかが分かる

    スイングの始動からフィニッシュまで、30秒から1分かけてゆっくり素振りを行う。ゆっくり振るほど難しいが、自分の体がどこでどう動いているのかが分かる

    日ごろ行うドリルで家のなかでもできるオススメがあります。スイング始動からフィニッシュまで30秒から1分かけて素振りを行ってください。スローモーションのようにゆっくり振ることで、アドレスでは足の裏、ハーフウェイバックで腹斜筋、トップでは右太モモなど、スイングのどのポイントで体のどこに力が入っているのかが分かります。もちろん上体の力を抜いてヘッドの重みを感じながら振ることが重要です。クラブを持たず、シャドースイングで行っても効果があります。
    クラブを逆さに持って左手1本で素振りを行う。クラブが軽くなって余計な力が入りにくい

    クラブを逆さに持って左手1本で素振りを行う。クラブが軽くなって余計な力が入りにくい

    上体に力が入りやすい人は、クラブのヘッド側を持って左手1本で素振りを行いましょう。逆さに持つことでクラブが軽くなり、余計な力が入りにくくなります。程よく脱力しているからこそ、自分が軸になってヘッドが走るのです。クラブが体に巻き付くイメージで振るのがコツです。

    ドリルを行うときから気をつけたいアドレス時の注意点

    構えて目標を確認するとき、左肩が上がって目線が上を向きやすい。目標を確認するときは、左右の目を結んだ線が地面と平行になるようにして低い方向を見る
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    構えて目標を確認するとき、左肩が上がって目線が上を向きやすい。目標を確認するときは、左右の目を結んだ線が地面と平行になるようにして低い方向を見る
    再現性高く安定したスイングをつくるには、ドリルのときからアドレスは重要です。「腰の高さでグリップをしてからボールに対してフェースを合わせ、最後にスタンスを決める」というルーティンはもちろんですが、構えてから目標を確認するときにも注意したいことがあります。

    目標方向に顔を向けたとき、目線が上がって左肩が上がりやすいので気をつけてください。左肩が上がっているとバックスイングが浅くなって、深く肩が入ったトップがつくれません。するとダウンスイングで上体が起き上がりやすくなります。目標を確認するときは目線を低くしてください。目標に顔を向けたとき、左右の目を結んだ線が地面と平行になるようにするといいでしょう。
    その場でジャンプして着地したときのスタンス幅で構えると、下半身が安定する

    その場でジャンプして着地したときのスタンス幅で構えると、下半身が安定する

    アドレスでスタンスが必要以上に広く、ヒザが大きく曲がっているアマチュアの方を見かけます。ヒザが大きく曲がっていると安定しているように見えますが、足と腰がどこにでも動いてしまい下半身の安定感がなくなります。下半身が安定していないと、上体に力が入りやすくなって手を使い始めることになります。地面をしっかり押さえるように構えてください。おしりを高いところに向けて、股関節をしっかり入れて立ちましょう。自然に背中の筋肉を使えるようになります。

    下半身が安定したアドレスは、その場でジャンプして着地したときの姿勢をベースに構えるといいでしょう。スタンスは広すぎず狭すぎず、ヒザも程よい角度で着地しているはずです。
    諸見里しのぶ
    もろみざとしのぶ 1986年7月16日生まれ、沖縄県出身。屈指のショットメーカーでツアー通算9勝。9歳でゴルフを始め、ジュニア時代は2005年に世界女子マッチプレー選手権で唯一のアマチュアゴルファーとして出場が認められた。 同年7月にプロテストに合格し、わずか出場3試合で翌年のシード権を獲得。2006年にSANKYOレディースオープンで初優勝。2007年には日本女子オープンゴルフ選手権競技で国内メジャー初タイトルを手にした。2009年には史上8人目となる JLPGAメジャー3冠を達成。現在は、女子ツアーのトーナメントコースセッティング担当として活躍。メディア活動にも数多く挑戦しており、分かりやすい解説が好評。

    取材協力・江連忠ゴルフアカデミー東京校 撮影・村上航
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    連載

    人気女子プロの “ザ・レッスン”

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    • 諸見里しのぶ
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