2019年NOBUTA GROUPマスターズレディース最終日。14アンダー首位でスタートしたテレサ・ルー（台湾）を8アンダー4位タイから追いかけ、6打差を見事逆転し優勝を遂げた柏原明日架。わずか1カ月前にミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで初優勝を遂げたばかりの嬉しい2勝目だった。勝利の流れをつくったのは「11番ホールのバンカーショットだった」と、柏原。それは、ピンまで40ヤードの難しいバッカーショットだった。

貴重！　スカートを履いた柏原明日架【写真】

「私には、スコアをつくるうえでカギとなるショットが二つあります。それはショートウッドとバンカーからのショットです。マスターズGCレディース最終日では、11番ホールのピンまで40ヤードのバンカーショットが勝利の流れを引き寄せるカギとなりました」

柏原は58度からピッチングまでの4本のウェッジを距離によって使い分けて、バンカーショットを打っているという。

「58度のウェッジで40ヤードを打とうとするから、バンカーショットが難しくなるんです。番手を変えれば容易になるので、試してみるといいですよ。基本的な距離の打ち分けは20ヤードまでを58度、20〜25ヤードは52度、25〜30ヤードでは48度、30ヤード以上ならピッチングウェッジです」

11番の40ヤードではピッチングウェッジで、砂を浅く取ってランが出る球でピンに寄せたという。

「砂を浅く取れば転がるし、砂を厚く取って打てばキャリーで止まりやすくなります。常に注意していることは、ヒザの高さをアドレス時のままフィニッシュまで変えないこと。ヒザが伸びるとトップするし、ヒザが深く曲がってしまうとダフってしまいます」

ヒザの高さを変えずに打つバンカーショットをつかんだドリルがあるという。

「アドレス時に開いたフェースの上に砂を乗せてください。砂を乗せたまま振り上げ、そのまま左に振り抜いていきます。フォローからフィニッシュで、フェースに乗せた砂が自分にかかればOK。このイメージで振れば、ヒザの高さは変わりません」

ツアーのコースセッティングはかなりハードな設定になっている。グリーン周りのラフも芝が伸びてかなり深い。そんなセッティングだから、「ラフに入れるよりもバンカーのほうがいい」というプロもいるほどだ。言い換えれば、バンカーは砂の状態がホールによって変わることがあまりない。だから打ち方は単純なんだということ。バンカーを嫌うアマチュアは少なくないが、柏原のように考えればバンカーショットはよりシンプルになる。距離によって番手を替えて打ってみようじゃないか。（2019年取材）