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    飛距離が出るドローボールの打ち方を徹底解説!プロが実践するポイントも紹介

    ラウンドで安定したスコアを出すには、自分なりの持ち球を習得することが大切です。曲がる方向が一定になれば、ピンを狙いやすくなりますし、OBなどのトラブルを避けることもできるからです。そして、多くのゴルファーが憧れる持ち球が「ドローボール」です。この記事ではドローボールの基本的な打ち方やメリット、デメリット、ツアープロが実践するポイントなどについて解説していきます。

    所属 ゴルフライター
    田辺直喜 / Naoki Tanabe

    配信日時:2024年5月27日 08時05分

    • レッスン
    • ドローボール
    目次 / index
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    1.ドローボールの基本的な打ち方

    目標よりもボールを右に打ち出し、頂点からの落ちぎわで左に曲がる弾道が「ドローボール」です。打ち出しから左に曲がったり、目標よりも左に打ち出したボールを全てドローと呼ぶ人もいますが、これらは「フック」や「引っかけ」と呼ぶのが正確で、ドローボールとは似て非なるものです。

    かつてドローボールを打つには一定以上の技術が必要と考えられていました。しかし、クラブやスイング理論の進化によって、基本的な考え方や打ち方を知れば誰でも打てる弾道になっています。

    では、ドローボールを打つには、どんなインパクトを作れば良いのでしょう。答えは、ボールに対して、フェースは「右向き」、スイング軌道は「インサイド・アウト」です。

    以前までは、ボールをつかまえるためにフェースを返すように振るという指導が一般的でした。しかし、スイング解析機や弾道計測器の進化によって、ボールの打ち出し方向にはフェース向きが最も影響すると分かりましたので、フェースを返す打ち方だと、ボールを左に曲げることはできても、目標よりも右に打ち出すことが困難になります。つまり、ドローではなく、曲がり幅の大きいフックになってしまうのです。

    そのため、ボールを右に打ち出すためにフェースを右に向け、インサイド・アウトにヘッドを入れることで左に曲がる球が打つのがドローボールを打つための最新メソッドになっています。これだけ聞くと難しく感じるかもしれませんが、セットアップの方法や振り方のコツを知るだけで簡単にドローボールのインパクトを作ることができます。

    ボールは左足カカト線上よりも内側にセット

    ターゲットよりもフェースが右を向いた状態でインパクトするには、ボール位置を右足寄りに動かします。ドライバーであれば、ベーシックなセットアップである「左足カカト線上」よりも内側にボールをセットしましょう。

    基本的な考え方として、ターゲットにスクエアに構えて、ヘッドが常に体の正面にあるようにスイングすると、最下点でフェース向きも、スイング軌道も真っすぐになります。そして、最下点より手前では、目標に対してフェースが右を向き、ヘッドの軌道もインサイド・アウトになります。フラフープなどを使って、スイング軌道をイメージすると分かりやすいでしょう。

    この原理を利用すれば、手先でスイング軌道をコントロールしなくても、ボール位置を変えるだけでドローボールに必要なインパクトを作ることができるわけです。

    肩や腰、足のラインは目標にスクエア

    ドローボールを打つにはインサイド・アウトの軌道が必要ですが、体を目標よりも右に向ける必要はありません。むしろ、体の向きや手先でインサイド・アウトの軌道を作ってしまうと、極端になり過ぎて、想像よりも右方向にボールを打ち出してしまったり、曲がり幅が大きくなって引っかけのミスも出やすくなります。

    インサイド・アウトの軌道はボール位置の調整で作り、体の向きや振り方はスクエアなままにするのが、ストレートに限りなく近い理想的なドローボールを打つためのポイントになています。

    トップで左腕と肩のラインを平行にする

    確実にボールを左に曲げるためには、フラットなスイング軌道を心がけましょう。トップで手元を低い位置に収めることでインサイドから下ろしやすくなるからです。手先でクラブを上げるのではなく、軸をキープしながら体の回転でバックスイングするのがおすすめです。その際、左ワキを少し絞めるように側屈させると上体が回りやすくなります。

    左手の甲を伸ばすように掌屈させる

    ターゲットに対してフェースを開いて打つのが正しいドローボールのインパクトですが、ヘッド軌道に対してはスクエアか、閉じた状態を作らなければ、つかまったボールは打てません。そのため、左手首の形に注意して、フェースを閉じるようにスイングしましょう。

    ポイントは、トップで左手首の甲が伸びた掌屈の形を作ること。腰の高さまでクラブを上げたときにフェースが下を向き、トップでは上を向くように上げると掌屈の形が作りやすくなります。この形ができれば、思い切り体を回しても、フェースが開きにくいので、ボールを右に打ち出しながら、左に曲げるドローボールが打ちやすくなります。

    ヘッドは低く左に振り抜く

    インサイド・アウトに打つと聞くと、ヘッドをアウトサイドに振りたくなります。しかし、ボールに対してインサイド・アウトに打つ必要があっても、スイング自体は、イン・トゥ・インに振るのが正解です。そのため、ドローボールを打つ場合でも、しっかりインサイド、つまり左方向にヘッドを抜いていくイメージが大切になります。

    ポイントは、手元を常に体の近くに通すこと。左に降るからと言って、手首を返したりする必要はなく、あくまでも体の回転で手元とヘッドを左に振っていくのです。後方からスイングを見たときに、シャフトが両肩のラインよりも下を通っていたら理想的なスイングができています。

    2.ドローボールのメリット・デメリット

    スイング理論の進化によって、身近な弾道になってきたドローボールですが、そもそもどんなメリット・デメリットがあるのでしょう。

    【メリット】飛距離が伸びる

    ドローボール最大のメリットは、フェードに比べて、ランを含めた飛距離を出しやすいことです。

    目標に対してフェースを開いて打つのがドローボールですが、軌道に対してはフェースを閉じた状態で当たります。一方でフェードは軌道に対してフェースを開いて当てますので、比較するとドローボールの方が、打ち出し角が低くなり、スピン量も少なく抑えられます。結果として、強いボールでキャリーが伸び、ランも出るのでトータルの飛距離が出やすくなるのです。

    この傾向は小型で慣性モーメントの低い昔のドライバーになるほど強かったため、ドローボールは飛ぶと言われてきました。しかし、最新の慣性モーメントが高いドライバーの場合、ドローとフェードの打ち出し角やスピン量の差が小さくなってきています。

    【デメリット】曲がったときにOBになりやすい

    ドローボールを打つデメリットは、ミスしたときの曲げ幅が大きくなりがちなことです。特に、インサイド・アウトでフェースを返すことでドローボールを打つと考えている人は、左方向に大きな引っかけが出ることも多く、OBなどのトラブルになることが多いです。

    いかに手先の動きを減らして、極端なフェース開閉が起きないようにスイングできるからが、安定したドローボールを打つための大事なポイントになります。

    3.プロが教えるドローボールの簡単レッスン

    ここからはドローボールを持ち球にしている女子プロが実践しているテクニックを紹介していきます。コースですぐに試せて、効果が高いレッスンを厳選していますよ。

    植竹希望の釣り竿を持つようなグリップ

    国内女子ツアー1勝(2024年5月27日現在)を挙げているショットメーカーの植竹希望プロは、ドローボールを打つためにグリップの握りが大切になると話します。

    ポイントは、中指・薬指・小指の3本をしっかり握ること。釣り竿を持つようにしてヘッドの重さを3本の指で感じられると、ヘッド軌道が安定してくれます。逆に、親指と人差し指に力が入ってしまうと前腕に力が入り、スムーズなフェース開閉ができなくなってしまうようです。

    「植竹希望の釣り竿を持つようなグリップ」のレッスン詳細はコチラ(ALBA TV)からもチェックできます。

    勝みなみのなで肩アドレス

    国内女子ツアー8勝(アマチュア時の勝利含む・2024年5月27日現在)の実績を持ち、現在、米国女子ツアーに挑戦している勝みなみプロは、アドレスの前傾姿勢にドローボールを打つために大切と話します。

    ポイントは背中を反らさず、丸めてなで肩で構えることです。背中を反るように肩甲骨を真ん中に寄せた構えだと、バックスイングで腕と胸が同調せず、振り遅れが起きやすくなります。一方で、背中を丸めて肩甲骨を離すようにすると、腕と胸が一体化するように動かせて、ボールのつかまりが良くなります。

    「勝みなみのなで肩アドレス」のレッスン詳細はコチラからもチェックできます。

    尾関彩美悠の“出前持ちトップ”

    2022年のルーキーイヤーに初優勝を飾り、トップ選手の仲間入りを果たした尾関彩美悠プロ。ドローボールを持ち球にする尾関プロが実践しているポイントは、“出前持ち”をするようなトップを作ることです。

    尾関プロは、トップでシャフトが飛球線と平行になることを大切にしています。もし飛球線よりもシャフトが右を向いたクロスの形になると右ワキが空いているため、クラブが遠回りをしてカット打ちになってしまうからです。

    出前持ちのトップなら右ヒジが地面を向き、右ワキが締まった形を作ることができます。結果として、飛球線とシャフトが平行になる理想的なトップで、インからクラブを下ろしやすくなるわけです。

    「尾関彩美悠の“出前持ちトップ”」のレッスン詳細はコチラからもチェックできます。

    4.まとめ

    ここまでドローボールの打ち方について解説してきました。過去には上級者だけが打てると考えられていたドローボールも、今ではスイングのポイントさえ抑えれば、やさしく習得できるものになっています。特に、最新クラブはボールのつかまりが良くなっていますので、ドローボールを打つのに有利です。ぜひ、理想的な飛距離の出るドローボールを身に付けて、よりゴルフを楽しみながら、スコアの壁を突破してください。

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    • ドローボール

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