ファンだけじゃなく同組のプロも原辰徳氏の魅力にメロメロ「こういう歳のとりかたをしたい」
国内シニアツアー「ファンケルクラシック」は、読売巨人軍の前監督で大会特別顧問も務める原辰徳氏が6年ぶりに出場していることで盛り上がりをみせている。
配信日時:2024年10月20日 00時27分
国内シニアツアー「ファンケルクラシック」は、読売巨人軍の前監督で大会特別顧問も務める原辰徳氏が6年ぶりに出場していることで盛り上がりをみせている。2日目のギャラリー数は4476人で、昨年8月の夏休み開催のときよりも1000人ほど増えた。やはり原氏の組につくギャラリーが一番多い。
最終18番パー5では、原氏のグリーンを狙った3打目がショートし、あわや池ポチャかと思われたが、フチで止まってスタンドのギャラリーが大きく湧く。次の4打目のアプローチはカップに向かって真っすぐコロがり、ピンに当てたが惜しくも入らず、再び大歓声。最後は1メートル弱のパーパットを沈め、キャップを取ってギャラリーの拍手に笑顔で応えた。そして、大勢のファンたちとグータッチしながらクラブハウスに帰ってきた。
原氏には人を引きつける不思議な魅力がある。2日目は強風の影響もあってスコアこそ「83」と振るわなかったが、なんだか1つ1つの動きが気になってしまう。ファンや我々メディアだけでなく、同組のプロたちもメロメロになったようだ。2日目に原氏とラウンドをともにしたのは、今年の「日本プロゴルフシニア選手権」を制した増田伸洋と、横浜カントリークラブ所属の野仲茂。ラウンド直後は2人とも少し興奮気味で目をキラキラと輝かせていた。
「僕は小学生の頃に野球をやっていて、『4番サード原』の時代からのファン」というのは51歳の増田。阿部慎之助やジャイアンツの選手たちと交流があり、キャンプを訪れた際には「バッティングゲージの後ろの“原タワー”に登らせてもらったことがある」。そのときのことを『キャンプに来てくれていたよね』と原氏も覚えていて。それで完全に増田の心は持っていかれた。「楽しい一日でした。やっぱりスター。すごいさわやかでカッコよくて、こういう歳のとりかたをしたいと思ったね」と顔はニヤけっぱなしだ。
また、小さい頃は「大洋ホエールズの友の会に入っていた」という54歳の野仲は、「うちの親父が大のジャイアンツファンだから、テレビで見て喜んでくれたんじゃないかな」と話す。野仲が所属する横浜CCでラウンドもしている原氏からのリクエストで、一緒にラウンドする話もあったが、そのときはスケジュールが合わずに実現しなかった。「面識はあったんですけど、やっと回れたという感じ。あんなさわやかな人がいるんですね」と、野仲もやはり笑顔が止まらない。
6年前の18年大会では最終日にパープレーの「72」で回っている原氏。ゴルフの腕前には増田と野仲も驚いたようだ。「力感がなくて気持ちよく振っていますね」と増田が言うと、「フィニッシュもしっかり取るし、強振するわけでもない。ボールを操るのが上手いよね」と野仲も同調する。さらに、「最後の(18番ホール)アプローチも上手かったね」(増田)、「手をやわらかく使える。天性のものがあるんじゃないですか」(野仲)と、ショットだけでなく小技についても大絶賛だった。
そんな2人の感想を受けて、原氏に『さわやかな大人になるには?』と聞いてみると、「特にないですよ」と大きな声で笑う。また、大勢のギャラリーがついたことに対して聞かれたときには「挑戦している姿に賛同してくれればありがたい。挑戦することは重要なことだと思います。挑戦する気持ちがあれば、青春であるということではないでしょうか」と答えている。66歳の原氏は今後、アマチュア競技に積極的に出て、挑戦を続けていく。それこそが『さわやかな大人』の秘訣ではないだろうか。