林から果敢に狙う? それとも安全にレイアップ? コースを離れれば答えは簡単だった
昔から「欲をかくと失敗する」といわれますが、この言葉はゴルフのプレーにもあてはまります。できないことはやらないのが成功の秘訣です。
配信日時:2024年1月16日 02時00分
まずは質問です。ボールが林の中に入りました。木と木の間を上手く抜けてくれればバーディが取れるかもしれませんが、その確率は10%。もし失敗すれば、確実にダボ以上になってしまいます。
一方、安全にフェアウェイに出せばバーディの確率はほぼゼロになりますが、上手くいけばパー、最悪の場合でもボギーで上がれる。あなたならどちらを選びますか?
私はセミナーでこの質問をよくするのですが、ほとんど人は後者を選択すると答えます。誰も無謀なことをしようとはしないのです。
しかし、質問を変えて、「過去、前者を選んだことがある人は?」という聞き方をすると、ほとんどの人が手を挙げます。皆さんの答えも同じではないですか?
今これを読んでいるとき、皆さんは冷静です。だから正しい判断を下せます。しかし、ラウンド中となるとそうはいきません。「ひょっとしたらバーディを取れるかも」という悪魔のささやきが聞こえてきて、無謀なショットを選択してしまう場合が多いのです。
このような事態に陥るのを防ぐためには、常に等身大のプレーを貫くことが大事です。よく、“身の丈に合ったプレー”などと表現されますが、まさにそのこと。自分の身の丈に合ったプレーはどちらなのかを考え、プランを立てることが大事です。
また、“身の丈”を考えるときは、調子が悪いときの自分が本当の自分だと考えることも必要です。
たとえばドライバーが真っすぐ飛ぶときもあれば、左右に曲がるときもある場合、後者が自分の身の丈だと考えましょう。そうすれば、多少左右に曲がっても、「いつもどおり」という受け止めができ、パニックになることもありません。
ゴルフでは身の丈に合ったプレーを心掛けることが、スコアアップにつながるのです。
解説:児玉光雄
こだま・みつお / 追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』860号より抜粋
”こころ”で芯喰い