曲がらないのも納得! 西村優菜は「アプローチ感覚」でドライバーを打っていた【世界で戦うドラテク】
米ツアー2年目のシーズンを送っている西村優菜の正確なドライバーショットをプロコーチの森守洋氏が解説する。
配信日時:2024年9月9日 22時44分
世界最高峰の米国女子ツアーでは、ドライバーで平均250ヤード以上飛ばし、70%以上の確率でフェアウェイを捉えてくる選手たちがしのぎを削る。今回取り上げるのは米ツアー2年目のシーズンを送っている西村優菜。フェアウェイキープ率77%の正確なドライバーショットをプロコーチの森守洋氏が解説する。
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バックスイングでは頭一個分右に動かして体を揺さぶることでパワー不足を補い、大きなトップを作ります。そこから左に行かずに回るのが特徴的で、下半身の使い方がすごく上手い。ダウンスイングの早い段階で右カカトが上がっていきますが、骨盤を左にスライドさせずに回る人は絶対にそうなる。PGAツアーの飛ばし屋、キャメロン・チャンプやジャスティン・トーマスにも同じ動きが見られます。
また、リリースを遅らせている点も彼女ならでは。フォローではヘッドが手元を追い越してもっと先に行くのが一般的な女子プロですが、西村さんはほとんど手首や右ヒジの角度が変わらず、ヘッドとの関係性を保ったまま振っていきます。インパクト前からフェースはずっと真っすぐ動いていくので振り遅れではありません。
フォローまでリリースを遅らせ、アプローチみたいな感覚でフェース面をコントロールしているから曲がらない。ドライバーではなかなかできないことです。フェアウェイウッドやユーティリティを持ったときでも、アイアンのような精度で打てるから、飛ばし屋揃いの米ツアーでも通用するわけです。右手と左手を離して握るスプリットハンドで練習すると、手元とフェースの関係性を変えずにアプローチ感覚で打てるようになります。
■西村優菜
にしむら・ゆな/2000年生まれ、大阪府出身。日本ツアーで通算6勝を挙げ、昨年から米ツアーに本格参戦。身長150センチと小柄ながら、飛距離よりも正確性を武器に2年連続でシードを確定させている。今季の最高成績は「HSBC世界選手権」の3位。スターツ所属。
■森守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ。静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
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●世界ランキング1位に君臨するネリー・コルダ(米国)は、平均飛距離267ヤード、フェアウェイキープ率72.47%を誇る。関連記事の【松山英樹っぽい!? 世界女王のネリー・コルダは“ネジレ”も最強だった】では、プロコーチの森守洋氏が飛んで曲がらない秘密に迫っている。