練習しても上手くならないのはワクワクが足りないから! 強制的にワクワク物質『ドーパミン』を分泌する方法があった
せっかく練習をするのだから集中したいのについついダラダラしてしまうことも。そうなることを防ぐための方法を教えてもらおう。
配信日時:2023年12月27日 08時18分
ゴルファーの中には、長時間の練習に苦痛を感じたり、練習しても進歩が感じられないという人もいるはず。今回はそんな人に向けてのメンタル的なアドバイスになります。
皆さんは、“ドーパミン”という神経伝達物質があるのをご存じでしょうか。これは、“やる気”や“ワクワク”の源で、ドーパミンの分泌量が増えるほど、意欲が湧いてきて、集中力も高まります。
では、どうすればドーパミンが分泌されるのか。そのメカニズムを解明するために、脳科学者たちが猿を使った実験を行いました。
音が鳴るとジュースが出てくる装置を猿の前に置き、どのタイミングで猿のドーパミン分泌量が増えるかを計測したのです。結果は、最も分泌量が増えたのは音が鳴った瞬間。ジュースを飲んでいるときよりも、「これからジュースが出るぞ」と分かったときの方が、ワクワクしたというのです。
さらに、この実験で分かったことがもう一つ。それは、ドーパミンの分泌量が最大になったのは、ジュースの出る回数を半分にしたとき。「必ず出る」よりも「出るか出ないか分からない」ときの方が、ワクワク感がアップしたのです。
人がやる気満々になったり、ワクワクするメカニズムも同じです。
これをゴルフにあてはめると、例えばパッティング練習の場合、その人にとってカップインの確率が2分の1となる距離やラインで練習することが、最も効率良く、長続きするということです。また、ドライバー練習でも、当たる確率が2分の1のネットのエリアを目標に定め、そこを狙ってボールを打てば、高い集中力を持ちながら練習できるということです。
2分の1の確率で達成できることを、私は“ちょい難(ムズ)”と表現していますが、ちょい難の成功率を上げることで、アナタのゴルフは確実に進歩するのです。
解説:児玉光雄
こだま・みつお●追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』858号より抜粋
”こころ”で芯喰い