地面反力やレイドオフ、気になるレッスンを試してみたけれど、自分には合わなかった……なんてこと、ゴルファーなら一度は経験したことがあるだろう。「人それぞれ力が入る姿勢や動きは異なるので、パワーコネクティング(※1)でそのレッスンが自分に合うか見極めましょう」と話すのは、川崎志穂などを指導する、プロコーチの平尾貴幸氏。今回は、トミー・フリートウッド(イングランド)のマネをしてもいいのかを診断する。
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川崎:パリ五輪で銀メダルを獲得したトミー・フリートウッド選手のスイングが好きなんですが、インパクトであんなに背中を丸められる自信がありません。これも相性ですよね?
平尾:その通り。早速診断しましょう。手首を手のヒラ側に曲げて基本姿勢(※2)を取って引っ張られたときと、手首を手の甲側に曲げて基本姿勢を取って引っ張ってもらったときの力の入り具合を比べます。
川崎:私は手の甲側に手首を曲げた方が力が入りましたね。フリートウッド選手のようなスイングができるんでしょうか?
平尾:残念ながら……フリートウッドタイプではありません。フリートウッド選手は、インパクト時に両肩が前に出て鎖骨を入れ込むような動きをしているから、背中が丸まっているように見えるんです。この鎖骨を入れ込む動きというのが、手首を手のヒラ側に曲げた姿勢ですね。
川崎:残念です……。ちなみに私は胸を張っているような感覚かもしれません。鎖骨でいえば開いたまま動く感じですかね。
平尾:手の甲側に曲げて力が入る人は、そういった感覚になると思います。インパクト時に手首を手の甲側に曲げたときと同じような姿勢になった方が力が入るので、背筋は真っすぐすると良いですよ。
川崎:フリートウッド選手のようなスイングができないのは残念ですが、これでまた自分に合う体の動きが分かりました! みなさんも試してみてくださいね!
■川崎志穂
かわさき・しほ/1996年生まれ、千葉県出身。2017年にプロ入り。身長170センチの長身から放たれる260ヤード越えのロングドライブが武器。ミツウロコグループ所属。
■平尾貴幸
ひらお・たかゆき/1979年生まれ。日本大学ゴルフ部出身で25歳からレッスン活動をスタート。川崎志穂を17歳から指導し、新垣比菜などのコーチも務めた。PGAティーチングプロA級取得。
(※1)
野球、バスケットボール、格闘技などあらゆるスポーツで話題になっている新しい運動理論。力が入りやすく、体が動きやすい姿勢は一人一人違っていることを前提として、一人一人に合ったポジションを提唱する。
(※2)
両ヒジを90度くらいに曲げて体に付け、腰を少し落とすのがパワーコネクティングの基本姿勢。この姿勢で引っ張ってもらい、力が入るかどうかをチェックする。
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