言ってしまえば、欧州ツアーは毎週がナショナルオープンみたいなもの。

そうなれば、やっぱりプレーヤーとして選手魂がくすぐられるもののようだ。

谷原「体力（笑）」

宮里「アメリカより厳しいですもんね」

谷原「コースは厳しいよね。意外とフェアウェイ狭いし。日本と同じくらいのフェアウェイのライン取りじゃない？それにハザードが加わるから、さらに難しいよね」

宮里「やっぱり谷さんみたいに人間的にタフじゃないと、向こうではやってけないです（笑）」

谷原「どういうことだよ（笑）。それを言うなら川村（昌弘）でしょ」

宮里「あれは旅好きだから。常に写真キレイな所をずっと探してますからね。インスタ映えを」

谷原「わざわざそのために朝早く行くからね。『この景色をとりたかったんです！』って。ただの変態じゃんって（笑）。多分なにも気にしないから、タフっていうより楽しんでるんだよね、全てを。エンジョイしてるから苦じゃないんだよね」

宮里「全てが楽しい」

谷原「生きてることが楽しいんじゃない（笑）。かなり大事だろうね、それ。オレは別に楽しいと思ってなかったもん。コースとかプレーヤーが素晴らしいから楽しかったけど、この国行って、あの国に行って、みたいのは何も思ってなかった」

宮里「ゴルフ場とホテルの往復でしたもんね」

谷原「たまに観光とか行くと、嫁に『私も連れて行ってもらったことないのに！』って言われるの（笑）。嫁が来るのはメジャーだから、観光する所なんかないじゃん！　歴史的建造物なんかないんだもん」

宮里「たしかに（笑）」

谷原「メジャーはどこにいってもド田舎だから、観光するところなんかないんだよね。だからフランスとか来ればいいじゃんって言ったんだけど（笑）。優作は、どこの国が好きだった？」

宮里「アブダビですねー。アブダビよかったです。人もよかったし、なんか、何でもあるし。カタールもよかったですけど、意外と中東好きですね。顔が濃いからかな（笑）」

谷原「そろそろ白いの（民族衣装）、被ったほうがいいんじゃない？（笑）」

宮里「谷さんと、どっかで買いましたよね。パキスタンかな」

谷原「パキスタンだね、アマチュアのときか（笑）」

谷原「まずは、やっぱり色んな所でできるからね。アメリカ本土は知ってるし、なんとなく分かるし。ヨーロッパは選手とコースも色々だし、言ってみれば毎週がナショナルオープンだもんね。その状況でできるっていうのが、楽しいかな」

宮里「同じですね。毎週国が変わるので、その国が威信をかけてコースセッティングしてくる。毎週がナショナルオープン。あとは、天候がとくにタフ。安定してることがない」

谷原「午前と午後で、全然ちがうもんね」

宮里「こんなに変わるのかってくらい。でもみんなスコア伸ばしてくるので、適応というか、慣れなのか。全てが強いので、そういう強さを追い求めて欧州に行っちゃいますよね。本当の強さを身につけたいならヨーロッパですね」

トーナメント自体も、ハプニング続きの転戦生活も大変だけど、それも含めてプレーヤーとしてビッグにしてくれる（はず）！ほかのツアーにはない魅力が、確かに欧州には詰まっていた。これを見て、毎週各国での生活を想像しながらトーナメントを追ってみてはいかがだろうか。