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大里桃子優勝のカギは“ハングリーさ”と“一定のスイングテンポ” ラフからのショットにもヒミツあり【辻にぃ見聞】

大里桃子優勝のカギは“ハングリーさ”と“一定のスイングテンポ” ラフからのショットにもヒミツあり【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2018年8月21日 08時01分

「パターがゆったりなのは、意識的なものだと思う。ショットも一貫して同じテンポで打てている。若手選手が試合中に崩れていくのは、スイングの“型”ではなく“テンポ”。優勝している選手で、試合中にリズムが崩れる人はいません」

初優勝がかかった試合でも、愚直に自らのスイングを貫いた大里。ここにも、精神的な強さがあらわれている。

■スピン量が多いヒミツは?
今回の優勝には、一つ不思議な点がある。それが大里のフェアウェイキープの“低さ”だ。42ホール中、ティショットがフェアウェイを捉えた回数は「18」。これは決勝ラウンドに進出した51選手のなかで“最下位”のスタッツで、辻村氏も「優勝する選手のデータではない」と話す。しかし、パーオンは54ホール中43ホールで全体5位を記録。ラフからしっかりとグリーンをヒットし続けたのは、この数字を見ても明らかだ。どうやら、その秘訣は大里が持つ“ある技術”にあるという。

「大里選手のスイングは、トップでフェースの向きがやや正面を向く、オープンフェース気味のスクエア。これは、スピン量が多くて、高い球を生み出し、ラフからのショットにも生きてきます。フェアウェイキープの少なさを補ったラフからの技術は、こういう点にも見受けられることができます」

女子選手の多くは、フェース面がトップで閉じた状態になるシャットフェースが多い。これは、スピン量とボールの高さが抑えられ、あまりキャリーが出ない球となる。大里が用具契約を結ぶブリヂストンのツアー担当者は「大里選手は、スピン量が多く、全体的にハードで男子プロのようなセッティングを好みます」と証言する。グリーンでバックスピンを操り、ピンの近くにボールを置くシーンもよく見られたのだが、それは大里のスイングが生み出す特徴の一つだった。

「大里選手はスイングに大きなクセはなく、ヘッドスピードも43m/sとしっかりある中距離ヒッター。スピン量が多いのは武器になります。今回のコースは、コンパクションが高いグリーンだったこともあり、その球がさらに有効に働いていました」

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