マーカーの記入ミスがあったとしても、スコア提出は選手の自己責任。新垣自身もそのことはもちろん承知しているだろう。だが、こんなトラブルの後、それをどんな風に受け止めるかによって、その後は全く変わってくる。
わかりやすいのは、レクシー・トンプソン(米国)の例だ。2017年の海外女子メジャー初戦、「ANAインスピレーション」最終日に、優勝争いの渦中にいたレクシーに、12番終了時点で競技委員が話しかけた。前日の17番でのプレーについて、テレビ視聴者からの指摘、4罰打を科すことが決まったという宣告だった。グリーン上でマークし、拾い上げたボールを戻す際、元の位置とズレていた、というもので、誤所からのプレーの2罰打と、スコア誤記の2罰打で計4罰打。それを翌日のプレー中に選手本人に告げるという異例の措置だった。
新垣のケースと違うのは、選手本人がスコアカードを提出する際には罰を受けていたことを知らなかったものとみなされて失格にはならなかったこと。優勝争いの最中に残酷な宣言をされたレクシーは、それでもプレーオフまで粘ったが、残念ながら優勝することはできなかった。
レクシーは、これにくじけることなくその後も2勝を挙げて賞金ランキング3位となり、シーズンを終えている。本当の意味でのリベンジとなるANAインスピレーション優勝を狙い、虎視眈々。トラブルがあってもたくましく成長していることがよくわかる。
余談だが、この後、事件は選手も含めた世界中のゴルフ関係者に大論争を巻き起こした。これを重く受け止めたR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)は「視聴者からの指摘は受け付けない」という“新ルール”を18年から適用することを発表している。中継局の映像などを競技委員会が確認する措置が取られるが、まさにレクシー事件が引き金となったルールだ。
筆者が間近で見たのは、ジェットこと尾崎健夫の失格劇。06年の「アンダーアーマーKBCオーガスタ」初日。ホールアウト後に、インタビューの約束をしていたところ、好スコアでプレー。上機嫌のままレストランで話し始めたところへ、大会関係者が歩み寄った。自分のサインをし忘れたことで失格となったのだ。一瞬、流れる気まずい雰囲気。だが、一度、席を離れて戻ってきたジェットは笑顔でいった。「仕方ないなぁ、で、なんの話だっけ?」。こちらに気を使わせることなく、約束通りインタビューを行った。
わかりやすいのは、レクシー・トンプソン(米国)の例だ。2017年の海外女子メジャー初戦、「ANAインスピレーション」最終日に、優勝争いの渦中にいたレクシーに、12番終了時点で競技委員が話しかけた。前日の17番でのプレーについて、テレビ視聴者からの指摘、4罰打を科すことが決まったという宣告だった。グリーン上でマークし、拾い上げたボールを戻す際、元の位置とズレていた、というもので、誤所からのプレーの2罰打と、スコア誤記の2罰打で計4罰打。それを翌日のプレー中に選手本人に告げるという異例の措置だった。
新垣のケースと違うのは、選手本人がスコアカードを提出する際には罰を受けていたことを知らなかったものとみなされて失格にはならなかったこと。優勝争いの最中に残酷な宣言をされたレクシーは、それでもプレーオフまで粘ったが、残念ながら優勝することはできなかった。
レクシーは、これにくじけることなくその後も2勝を挙げて賞金ランキング3位となり、シーズンを終えている。本当の意味でのリベンジとなるANAインスピレーション優勝を狙い、虎視眈々。トラブルがあってもたくましく成長していることがよくわかる。
余談だが、この後、事件は選手も含めた世界中のゴルフ関係者に大論争を巻き起こした。これを重く受け止めたR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)は「視聴者からの指摘は受け付けない」という“新ルール”を18年から適用することを発表している。中継局の映像などを競技委員会が確認する措置が取られるが、まさにレクシー事件が引き金となったルールだ。
筆者が間近で見たのは、ジェットこと尾崎健夫の失格劇。06年の「アンダーアーマーKBCオーガスタ」初日。ホールアウト後に、インタビューの約束をしていたところ、好スコアでプレー。上機嫌のままレストランで話し始めたところへ、大会関係者が歩み寄った。自分のサインをし忘れたことで失格となったのだ。一瞬、流れる気まずい雰囲気。だが、一度、席を離れて戻ってきたジェットは笑顔でいった。「仕方ないなぁ、で、なんの話だっけ?」。こちらに気を使わせることなく、約束通りインタビューを行った。