さらに女性ということで、こんな点も気に入っている。「上着はもともとダボっとしてるうえに、肩にラインが入ってるから細く見えるんです(笑)。肌ざわりもサラサラしていて、とても動きやすい」。デザイン性、機能性ともに満足な1枚だけに、今後の試合で“リベンジ”する可能性も十分にありそうだ。
■満足いくまで練習できない状況…「きついな」
この話に加えて、今の生活ぶりについても聞いてみた。ここ2カ月ほどは体調を最優先に考え、「練習は本来の20%くらいしかできていません」というのが実情。実家のある兵庫県は、先日21日に緊急事態宣言こそ解除されたものの、4月7日の発令時には当初の7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡)に含まれるなど感染拡大が進む地域だった。その状況もあり、練習は基本的に“stay home”で取り組めるものが中心だった。
ボールを打つのも、主に自宅に用意したネットに向かって。当然「飛んでいくボールは見えない」。さらに自宅でトレーニングも行っているが、「やってなくはないけど、やっているうちに入らない」と納得いくまで汗をかくことはできていない。ラウンドも行えず、練習場についても「行くなら朝5時半とか人が居ない時間に」という取り決めを両親と交わしていることもあり頻繁には足を運べていない。3月の開幕戦中止直後は、所属先の富山県・小杉CCでラウンドも行っていたが、「富山でも感染者が出てきたのと、他県の私が持ち込むこともしたくなかったし、そう思われたくもなかった」と、今の状況を覚悟のうえ地元に戻ることを決めた。
淺井は4人きょうだいの長女で、下の3人もゴルフをしている。父親がコーチとして長年我が子の指導にあたってきたのだが、「プロになってからは『自分で考えなさい』ということで、もう何も言われません」。だが他のきょうだいは、父が用意したメニューに沿ってゴルフに明け暮れる日々を送る。その光景を眺めていると、「練習しないとな」と焦りにも似た気持ちも湧いてくる。ただ、一方で「試合に向けて芝で打ちたいし、ゴルフ場でのほうがモチベーションが上がる」という考えも強く、葛藤のなかに身を置く状態が続く。
例年オフは国内で調整してきたが、今年はタイに渡り、より実戦に近い形でレベルアップを図るため徹底的にラウンドをこなした。それも「去年優勝して、初シードも獲れて、自分としては今年は一番大事な年だと思っていた。ここで頑張って波に乗れるかの分岐点という位置づけでした」と、今季への強い思いがあってのこと。仕方がないということは理解しているが、「開幕時点で準備は万端でした。ショックは大きいですね」とやるせない思いも募る。もしこの後すぐに開幕となっても、「きついな」というのも偽らざる本音だ。
ただ、一方でこんな自負もある。「もし途中から始まっても、去年フル参戦したなかで得た経験や気持ちは生かせると思う。今年初めてシーズンを戦う選手たちは、自分よりももっときついですよね」。2020年を終えた時に、「大事な1年」が実り多いものになっていることを、今は信じるしかない。
■満足いくまで練習できない状況…「きついな」
この話に加えて、今の生活ぶりについても聞いてみた。ここ2カ月ほどは体調を最優先に考え、「練習は本来の20%くらいしかできていません」というのが実情。実家のある兵庫県は、先日21日に緊急事態宣言こそ解除されたものの、4月7日の発令時には当初の7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡)に含まれるなど感染拡大が進む地域だった。その状況もあり、練習は基本的に“stay home”で取り組めるものが中心だった。
ボールを打つのも、主に自宅に用意したネットに向かって。当然「飛んでいくボールは見えない」。さらに自宅でトレーニングも行っているが、「やってなくはないけど、やっているうちに入らない」と納得いくまで汗をかくことはできていない。ラウンドも行えず、練習場についても「行くなら朝5時半とか人が居ない時間に」という取り決めを両親と交わしていることもあり頻繁には足を運べていない。3月の開幕戦中止直後は、所属先の富山県・小杉CCでラウンドも行っていたが、「富山でも感染者が出てきたのと、他県の私が持ち込むこともしたくなかったし、そう思われたくもなかった」と、今の状況を覚悟のうえ地元に戻ることを決めた。
淺井は4人きょうだいの長女で、下の3人もゴルフをしている。父親がコーチとして長年我が子の指導にあたってきたのだが、「プロになってからは『自分で考えなさい』ということで、もう何も言われません」。だが他のきょうだいは、父が用意したメニューに沿ってゴルフに明け暮れる日々を送る。その光景を眺めていると、「練習しないとな」と焦りにも似た気持ちも湧いてくる。ただ、一方で「試合に向けて芝で打ちたいし、ゴルフ場でのほうがモチベーションが上がる」という考えも強く、葛藤のなかに身を置く状態が続く。
例年オフは国内で調整してきたが、今年はタイに渡り、より実戦に近い形でレベルアップを図るため徹底的にラウンドをこなした。それも「去年優勝して、初シードも獲れて、自分としては今年は一番大事な年だと思っていた。ここで頑張って波に乗れるかの分岐点という位置づけでした」と、今季への強い思いがあってのこと。仕方がないということは理解しているが、「開幕時点で準備は万端でした。ショックは大きいですね」とやるせない思いも募る。もしこの後すぐに開幕となっても、「きついな」というのも偽らざる本音だ。
ただ、一方でこんな自負もある。「もし途中から始まっても、去年フル参戦したなかで得た経験や気持ちは生かせると思う。今年初めてシーズンを戦う選手たちは、自分よりももっときついですよね」。2020年を終えた時に、「大事な1年」が実り多いものになっていることを、今は信じるしかない。