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女性の妊娠、出産への理解がまだまだ低い?【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

女性の妊娠、出産への理解がまだまだ低い?【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

配信日時:2020年11月3日 07時00分

ところが、ネットの書き込みを見る限り、昔ながらの感覚の人間が多いことに驚いた。横峯を応援する記事ももちろんたくさんある。考え方は人それぞれとは言いながら、これに混ざったネガティブな書き込みが、想像以上に多かったからだ。

子供ができたら家庭に入れ、と言わんばかりの時代錯誤な内容や、リスクを声高に叫ぶもの。日本では非常識、というような話など、数え上げればキリがない。

匿名での書き込みの問題点は、今更説明するまでもない。“釣り”があるのも承知しているし、匿名でネットに書かれたことを鵜呑みにする必要などないのも承知の上だ。しかし、それを差し引いても、あまりにも女性の仕事や、妊娠、出産に対して「一体いつの時代だ?」というものが多かった。

30年以上前、初めて米ツアーを取材した時、大きなお腹を抱えたジュリ・インクスターがプレーをしているのを見て目を見張ったことをよく覚えている。その時、妊娠していた第一子を1990年に出産した後、インクスターはメジャー4勝を含む通算18勝を挙げている。

”妖精“と呼ばれたローラ・ボーは子沢山で知られているし、向こうでは女子プロはごく普通に妊娠、出産を経て現役として試合に出ている。妊娠中にプレーしている光景も珍しいものではない。横峯の妊娠がわかった9月にも書いたが、出産後に子供を連れてツアーを転戦する環境も整っている。

一般社会でも妊娠、出産を経て女性が仕事を続ける環境が相変わらず遅れている日本だが、女子ツアーでは野呂奈津子が妊娠6カ月だった1999年の「ヨネックスレディス」で優勝し、話題となった。森口祐子、樋口久子、木村敏美、山岡明美、塩谷育代ら出産後に優勝を経験した選手もいる。出産後にプレーする選手も増えつつあるが、まだまだ環境が整っているとはとても言えない状況だ。

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