■プロにとっての“スランプ”とは?
さらに19年には、稼ぎが42万6000円まで激減。この18年、19年を見るとレギュラーツアー出場44試合のうち、予選を通過したのはわずかに6試合だった。「ゴルフをやめたい」。そう思ったのもこの時期だ。もちろん、浮き沈みの幅に個人差はあるが、辻村氏はこのスランプを“プロアスリートの宿命”という見方もしている。
「プロになると上には上がいる。デビュー直後は勢いで成績を出せても、段々と怖さも覚えてくるし、リスクマネジメントも考え出す。どんな打ち方でも、自信がある時は何も感じない。ただ“考え始めると難しい”のがスイングなんです。『もっとよくしたい』という向上心は、プロなら必ず持っているもの。その結果としてのスランプは、多かれ少なかれ誰もが通る道といえます」
堀も優勝会見で、「ツアーに出始めた頃は、勢いだけでシードを獲って、技術もなかったですね」と当時を振り返っていた。そしてこの席では、その“勢い”が“狂い”に変わった瞬間についても言及した。それが17年の「大王製紙エリエールレディス」2日目の2番ホール。トリプルボギーを叩いた場所だ。「OBを打ったんですけど、その時に『おかしいんじゃないか?』と思うようになって。それくらいから、かみ合わなくなっていきました」。この言葉に、辻村氏は深くうなずいた。
「選手は、スランプの原因になるショット、アプローチ、パターというのは記憶しているもの。『あの時のあの1打から』というのは分かるものなんです。そして、それを修正しようと、どんどん細かい部分を求め出し、ある日、自分の感覚が戻らなくなっていることに気づく。イメージと違う球が出る、あれ、なんでだろう? こんな深みにはまることは少なくありません。これがスイング修正の怖さでもあります。パッティングだって、何も考えずに打てる時が一番うまい。でももっとうまくなろうと考える必要があるのがプロの世界なんです」
■持ち球をフェードにしたことでの“効能”
さらに19年には、稼ぎが42万6000円まで激減。この18年、19年を見るとレギュラーツアー出場44試合のうち、予選を通過したのはわずかに6試合だった。「ゴルフをやめたい」。そう思ったのもこの時期だ。もちろん、浮き沈みの幅に個人差はあるが、辻村氏はこのスランプを“プロアスリートの宿命”という見方もしている。
「プロになると上には上がいる。デビュー直後は勢いで成績を出せても、段々と怖さも覚えてくるし、リスクマネジメントも考え出す。どんな打ち方でも、自信がある時は何も感じない。ただ“考え始めると難しい”のがスイングなんです。『もっとよくしたい』という向上心は、プロなら必ず持っているもの。その結果としてのスランプは、多かれ少なかれ誰もが通る道といえます」
堀も優勝会見で、「ツアーに出始めた頃は、勢いだけでシードを獲って、技術もなかったですね」と当時を振り返っていた。そしてこの席では、その“勢い”が“狂い”に変わった瞬間についても言及した。それが17年の「大王製紙エリエールレディス」2日目の2番ホール。トリプルボギーを叩いた場所だ。「OBを打ったんですけど、その時に『おかしいんじゃないか?』と思うようになって。それくらいから、かみ合わなくなっていきました」。この言葉に、辻村氏は深くうなずいた。
「選手は、スランプの原因になるショット、アプローチ、パターというのは記憶しているもの。『あの時のあの1打から』というのは分かるものなんです。そして、それを修正しようと、どんどん細かい部分を求め出し、ある日、自分の感覚が戻らなくなっていることに気づく。イメージと違う球が出る、あれ、なんでだろう? こんな深みにはまることは少なくありません。これがスイング修正の怖さでもあります。パッティングだって、何も考えずに打てる時が一番うまい。でももっとうまくなろうと考える必要があるのがプロの世界なんです」
■持ち球をフェードにしたことでの“効能”