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「上と下の連動性が生まれてきた」渋野日向子が好調な理由は“下の重み”にあり!【辻にぃ見聞】

「上と下の連動性が生まれてきた」渋野日向子が好調な理由は“下の重み”にあり!【辻にぃ見聞】

配信日時:2021年11月2日 02時26分

■下半身の動きが調子の良さを生んだ
この言葉を聞いて辻村氏は好調の理由を感じ取った。「渋野さんの調子が上がってきていなかったときは、長いクラブでヘッドがスイングに追いついていない、いわゆる“振り遅れ”の状態になっていました。アイアンより下の番手は帳尻を合わせることができていましたが、そこに課題があるように見えていました」。だからこそ、苦手なクラブはない、という言葉に状態の良さがうかがえるという。

さらに紐解いていこう。渋野は今大会のテーマとして振り切ることに加えて「ゆっくりトップまで上げて、切り返しで早くならないようにタメを作る」と、打ち急がないことを心がけ、これがいいショットにつながったとも話した。そしてこの言葉の真意は下半身にある、と辻村氏は解説する。

「今の渋野さんは手でクラブを上げることなく、下半身主導でテークバックしていきます。手でクラブを上げたらゆっくり上げられませんからね。その意識のなかで、トップまでの半分くらいまで上がったところあたりから、下半身はすでに切り返しの準備を始めています。だから、切り返しも下半身が主導になる。切り返し始めている下半身と、まだ残っている上半身。このトップでの割れ(上半身と下半身が逆に動く状態)が素晴らしい。タイミング的にも“間”ができていると言っていいでしょう。これが彼女の言葉で言う“タメ”です」

では、調子が悪いときはどうだったか。「手でクラブが上がり、上半身から切り返しが始まっていました。そうなると切り返しで下半身が踏み込めず、体重が乗らない“軽い”状態になる。当然、割れもない。下半身が粘れないからクラブも戻ってきません」。これが振り遅れて、飛距離が出ないメカニズムだ。

「上と下の連動性が生まれてきましたね」と辻村氏もいうように、下の重みがでてきたことで劇的に変化した。「3番ウッドは地面から打つクラブのなかで、一番長くロフトも立っているから一番難しいクラブ。でも今は下半身主導のスイングだから、クラブのヘッドも理想的なシャローでボールに入ってくる。さらに間もあるからクラブも振り遅れない。つまり“間に合う”です」。これがフェアウェイウッドも強く曲がらない球が打てる理由だ。

スタンスからも下半身への意識が見て取れる。「今はかなりワイドスタンスで重心が下がっていますよね。そういったところからも“下を使おう”という意識が見られます。パターの構えも低いワイドの以前のかたちに戻りました。それも自信のあらわれだと思います」。打つ前の素振りを見ても、以前は上げる位置、下ろす位置と上半身の動きを意識したものだったのが、今大会では「ゆったり上げて振り抜く」と全体的なものへ変わった。こういった意識も好調の要因の一つだろう。

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