10ヤード伸ばすためにまずはトレーニングです。タイヤを引いてダッシュしたり、お手製の重いクラブのようなものを振ったり、相当やりました。当時はドライビングディスタンスを計測していなかったので数字は分かりませんが、感覚的には230ヤードから240〜245ヤードまで伸びて、女子の中では平均より少し飛ぶ方になったと思います。その結果、ひと皮むけて2008年の賞金女王獲得です。ジャンボさんも「古閑、やったよ」って喜んでくれました。

飛距離アップのほかにも、「アプローチはぽっこんではなく、しっかり溝で打て」とか「パッティングはオープンに構えたら視野が広くなる」などのアドバイスをいただきましたし、ジャンボ邸の回りにいるのは男子の一流選手ばかりで、見ているだけでも勉強になったのは覚えています。

ジャンボさんは、プロになって113勝をしている方です。誰よりも勝つことを知っています。そのジャンボさんのヒントは本当にすごいのです。ジャンボ邸にいる女子プロもこうしたヒントをもとに、自分なりに取り組んで結果を出しているのだと想像できます。今年も“ジャンボ軍団”の躍進は続くと思います。

■古閑美保
こが・みほ/1982年7月30日生まれ、熊本県出身。身長167センチ、2001年プロ転向。03年に「ヨネックスレディス」でツアー初優勝を遂げるなど、年間2勝を挙げて賞金ランキング3位。08年には年間4勝を挙げて賞金女王戴冠。29歳になった11年、シード権保持していたがツアー引退。ツアー通算12勝。21年からGMOインターネットグループのアンバサダーに就任