ただその一方で、「若い選手のゴルフは勉強になる。学べるところは学んで、盗めるところは盗んで自分の糧にしたい」という気持ちも。ツアー通算14勝を誇り、米国経験もある実力者にこうも言わせる相手との優勝争いは、大きな刺激にもなる。

また隣にいる小田亨キャディの経験も、緊迫した戦いに臨むうえで助けになる。男子ツアーでもバッグを担ぐ同氏から、昨年まで男子の試合が行われていたここ袖ヶ浦の情報を練習ラウンドの時点で“仕入れる”ことができた。「ピンの予測も立ててもらえたし、きついドッグレッグのホールで外してはいけないところもビシッと言ってくれる。イメージが明確になって安心感が増しますね」。それも背中を押してくれる大きな要素になる。

昨年12月に会社員の一般男性との結婚を発表。先週の渡邉彩香に続く“ミセス初V”にも期待がかかる。本人も「彩香ちゃんの優勝を見て、すごくいいなと思いました。勝つ姿を見せたい人がいるのもモチベーションになりますね」と、その光景を思い浮かべる。ただ渡邉が「ひそかな夢」と話し、実現させた優勝後の夫婦での記念撮影については、「できればそういうのはやりたくない派。向こうが言ってきたら…どうしようかな。その時考えます（笑）」と照れ笑いだ。

2つの“経験”と“モチベーション”を大きな力に。若手との争いを制し、1407日ぶりの勝利を手にしたい。（文・間宮輝憲）