今週も徹底してフェード仕様で臨んだ。パー3以外のほぼすべてのホールでは、ティイングエリアの右サイドにティアップして左サイドを広く使った。また、ドローヒッターが狙いやすいグリーンの左端に切られる左ピンに対しても、「ドローを打とうとは思わないです。今週は左ピンだけ注意してやっていました。真ん中からフェードのイメージでグリーンに乗せてパット勝負」。フェード仕様のマネジメントでしっかり勝ち切った。

「自分の中ではドローを打つつもりはない」と基本的に全ショットフェードイメージ。「やっぱり今日とかも（左曲がりが）出ちゃっていたので、もうちょっとしっかり直したいですね」。優勝してもまだまだ課題はあると話す。

コーチを変えて、スイングを一新して迎えた今シーズン。「そううまくいかないだろうなって思っていた。その中で、前半戦で優勝できてうれしいです」と白い歯を見せたが、優勝の余韻もつかの間、月曜日午前中の飛行機で渡米し、「全米女子オープン」に出場する。「明日行くっていう実感がなくて、今週がやっと終わったなってホッとした感じです」と、ほのぼのと話す。「出るからにはベストな状態で臨めるようにがんばりたい。海外の経験もないので、どういう感じになるかわからないけど、経験を積みたい。まずは予選通過が目標。あとはそこから考えたい」。

この優勝で小祝の国内ツアーでの生涯獲得賞金は4億円を突破。国内ツアーの連続出場記録は歴代4位の142試合でストップすることになるが、帰国後は早々にツアーへ復帰する構えだ。「ここから長いシーズン。まだ直さないといけないところもありますし、夏の暑さとか心配ですけど、優勝を目指してがんばりたい」。安定感を身に着けた新生・小祝さくら。夏場以降に失速した反省を踏まえて、昨シーズンの“忘れ物”を取りに行く年になりそうだ。